• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

大動脈平滑筋の新しいミオシン重鎖キナーゼの同定とミオシン重鎖燐酸化の意義

研究課題

研究課題/領域番号 06455001
研究機関北海道大学

研究代表者

盛田 フミ  北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80000818)

キーワード大動脈 / 平滑筋ミオシン / タンパク質キナーゼ / タンパク質のりん酸化 / カゼインキナーゼ
研究概要

ブタ大動脈平滑筋抽出液をDEAE-Toyopearl 650Sカラムクロマトグラフィに供し、昨年度報告したミオシン重鎖キナーゼの他に、新たにEGTA存在下で活性を持つミオシン重鎖キナーゼが0.15M KCl付近で溶出することを見いだした。昨年度報告したキナーゼを、myosin kinase II(MKII)、新しいキナーゼをmyosin kinase I(MKI)と命名した。MKIを更にAffigel blue,およびSephacryl S 300カラムクロマトグラフィを用いて130倍まで精製した。ゲル濾過の溶出量から、分子量は4万と推定され、基質特異性は低く、プロタミンやカゼインの他に、ミオシンLC20のSerlおよびSer2も燐酸化した。[γ-^<32>P]ATPを基質とし、MKIで燐酸化したミオシン重鎖をトリプシン消化し、燐酸化ペプチドを単離した。配列分析から、燐酸化部位付近のアミノ酸配列はRGNETSFVPと決定され、6番目のSerが燐酸化されていた。この配列と既に報告されているミオシン重鎖のアミノ酸配列を比較すると、ペプチドC末端のProは、平滑筋ミオシン204-kDa重鎖のアミノ酸配列を比較すると、ペプチドC末端のProは、平滑筋ミオシン204-kDa重鎖アイソフォーム尾部先端の近くにあって、ヘリックスを崩すProの位置に相当していた。
一方、MKIIは分子量、サブユニット構成、酵素的性質、抗体との交錯反応から、カゼインキナーゼII(CKII)であることが示された。昨年度報告したように、MKII/(CKII)の燐酸化部位は、C末端のヘリックスの崩れた領域に存在していた。このように大動脈平滑筋ミオシン重鎖204-kDaアイソフォームにおいて、C末端付近のProをはさんで、ヘリックスおよびヘリックスの崩れた両領域に燐酸化部位の存在することは大変興味深い。
MKIおよびMKII/(CKII)により燐酸化した大動脈ミオシンは、アクチンで活性化されるATPase活性を変化させなかったが、MKIによる燐酸化は、ミオシンフィラメントを安定化することを見いだした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Y.Fukui&F.Morita: "Two phosphorylations specific to the tail region of 204-kDa heavy chain isoform of porcine aorta smooth muscle myosin" J.Biochem.(in press). (1996)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi