研究課題/領域番号 |
06455003
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
轟 健 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (70114105)
|
研究分担者 |
石川 演美 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (10026932)
深尾 立 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (50091921)
大塚 雅昭 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (80168997)
平野 隆 工技院, 生命研・分子生物部・タンパク質工学研究室, 室長
|
キーワード | 肝阻血再灌流障害 / SOD / 高分子-SODハイブリット / DIVEMA / 肝微小循環 |
研究概要 |
本研究の主目的は肝臓の阻血再灌流で生ずる肝微小循環障害を高分子と超酸素不均化酵素(SOD)のハイブリットを用いて防止する事である。 本研究遂行の初年度である平成6年度では主として下記の4点を遂行した。 1:ヘパリン様生理活性を有する高分子合成ポリアニオンであるDIVEMA(divinyl ether and maleic anhydride)を合成し、生体内投与に際して毒性の殆ど無い、分子量3万のDIVEMAに生理活性蛋白であるSODを生理活性を保持したまま共有結合させて徐放化する方法を確立して学会誌に報告した。 2:このDIVEMA・SODハイブリットは血清(in vitro)投与あるいは、マウス静脈内(in vitro)投与の何れにおいてもSOD投与に比較して酵素活性の半減期が約20・10倍延長する事を薬物動態的に解明し学会誌に報告した。 3:生理活性蛋白であるSODはDIVEMAと結合する事により免疫原性が低下し、熱安定性が増加する事を解明し学会誌に報告した。(J.Cont.,Release投稿中) 4:肝微小循環に及ぼすDIVEMA・SOD投与の影響を肝臓が生体内に生理的に存在する状態で観察する装置を作成し、予備実験を遂行した。蛍光顕微鏡を用い、ラットの白血球や血清を蛍光染色して肝臓小葉の門脈、類洞および中心静脈を300・700倍の倍率で数時間ビデオモニターで観察し、録画する。この際、ラットの全身循環動態を動脈圧をモニターしながら生理的に保持する工夫をしている。肝微小循環の解析は収録したビデオテープから類洞内や中心静脈内の白血球動態、類洞血行阻害、等を指標にコンピュータ画像解析する。 以上の成果を踏まえて次年度(平成七年度)には主として肝微小循環に及ぼすDIVEMA・SODの影響を血行動態・血管内皮細胞障害、肝機能障害、肝細胞障害、ラジカル反応等を指標として解析を進める。
|