研究概要 |
Me_3Si架橋を有する希土類(II)価錯体のうちxy型のMe_2Si(Me_2Si-O-SiMe_2)(3-tBnC_5H_2)Sm(THF)_2を合成してエチレンの重合を行なった結果,最も高い活性が見られた。これに対しC_1対称型のMe_2Si〔2,4-(SiMe_3)_2C_5H_2〕〔3,4(_2Me_3)_2C_5H_2〕Sm(THF)は活性は小さいものの分子量100万以上のポリエチレンを生成した。一方ラセミ型の2価錯体,Me_2Si(2-SiMe_3-4-tBuC_5H_2)_2Sm(THF)_2はこれらの中間的な挙動を示した。エチレンの重合と異なり1-オレフィンの重合はラセミ型の物質のみが良好な活性を示し,しかもイソタクテック重合が進行した。Xチルアルモキサンを助触媒とせずに単独で1-オレフィンに対して高い活性があることは注目される。 Lin(aeae)_3を0.3wt%含むビッチを繊維化した後に,930℃で水蒸気賦活すると高いBET比表面積を持ったメソポア率の高い活性炭繊維を得ることができた。メソポア率の高い活性炭繊維の最初の例である。この物質を用いてフミン酸の吸着を行なうと良好な吸着が観測できた。従って得られた活性炭を使用すると飲料水の浄化ができると言える。 今後合成される高分子化合物にはリサイクルまたは生分解性が可能な性質が重要とされる。我々はトリメチレン-,1-メチルトリメチレン-,2-トリメチレンカーボネートとカプロラクトンまたはバレロラクトン,プロピオラクトンとの共重合を行ない,生分解性の高いポリエステルの合成に成功した。また1,4-ブタンジオールとコハク酸ジメチルとの縮合重合体を合成し生分解性を検討し,良好な分解性を観測した。
|