研究分担者 |
山本 泰彦 筑波大学, 構造工学系, 教授 (40061220)
小澤 一雅 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80194546)
田辺 忠顕 名古屋大学, 工学部, 教授 (50144118)
魚本 健人 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80114396)
友澤 史紀 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50211404)
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研究概要 |
本研究の目的は,任意の材料および配合を有するフレッシュコンクリートの自己充填性を評価するための試験方法を開発し,自己充填コンクリートの配合設計,製造管理および現場での受入れ検査等に至る一連のプロセスで使用するための自己充填性評価システムを開発することである。構造物内に確実に自己充填されるコンクリートを設計し、製造管理し,さらに現場において施工するためには,それぞれの段階でフレッシュコンクリートの性能を評価する必要があり,これら一連の評価方法がシステム全体で整合性がとれているのが良い。 自己充填性が実現されているかどうかを判定するための評価法を確立することは,極めて重要である。そのプロトタイプの試験法とその判定法を示すことに成功した。流動シュミレーション技術は,実験に頼らずに,コンクリートの性能と施工時の挙動を結び付けることができる非常に有効な方法である。その基礎となる数値モデルを複数提案し,今後の発展の方向性を示すことが可能となった。 配合設計を行う段階では,自己充填性判定の評価試験だけでなく,目標とする性能を達成できなかった場合の配合修正システムを用意しておく必要がある。自己充填性実現に必要な変形性,材料分離抵抗性,鉄筋間等の間隙通過性をできるだけ独立して評価し,配合修正の方向を示すことが可能な評価方法を幾つか構築した。 さらに,配合設計を合理的に行うためには,使用材料評価システムを持つことが望ましい。ペースト試験やモルタル試験を行い,使用材料の特性を評価するシステムを提案することができた。配合設計段階で考慮すべき種々の硬化後の品質に関する研究を実施し,その評価法を構築するための基礎データを取得した。さらに,製造過程における種々の変動を管理し,出荷時に目標とする自己充填性能を確実に実現するための材料管理および練混ぜ管理のための評価法を示すことに成功した。
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