研究概要 |
各種ニッケル材料の表面酸化物の空気中における膜厚変化をXPM分析から検討した結果、一般に酸化皮膜の成長は遅く,ニッケルの種類の影響は大きくなかった。しかしながら,長期間(3ヶ月以上)の放置では接着を阻害することも解明された。 NRおよびNBRついて実用配合を硫黄架橋系,無硫黄架橋系,低硫黄架橋系及びペルオキシド架橋系について検討し,実用配合で得られる物性と同等の配合系の再調整を行った。この結果、従来の配合系を著しく変化させることなく,ゴム物性と接着特性を両立させることが可能となった。 接着強度と接着界面層の関係を知る目的で,界面層分析をXPM測定から検討し,接着強度の高い接着物は適度の酸化皮膜層,界面結合及び界面補強層が存在することが明らかとなった。 今年度は防振ゴム,ガスケット,印刷ロール及び免振ゴムの試作品を数社の企業の協力を得て作成し,実用化の可能性の高い製品ができあがりつつある。 また,平成6年8月30,31日には技術普及のための講習会を開催し,20名(定員)の技術者が全国から集まり,ニッケルメッキートリアジンチオール法(INT法)の修得につとめていただいた。この様子は31日6;30からのNHKニュースで放映され,岩手大学ブランド技術として期待されていることが述べられた。
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