研究課題/領域番号 |
06505004
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
森 邦夫 岩手大学, 工学部, 教授 (80003870)
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研究分担者 |
大村 慎吾 東亜電化(株), 研究室, 室長
平原 英俊 岩手大学, 工学部, 助手 (30241491)
中村 満 岩手大学, 材料物性工学科, 助教授 (60237435)
大石 好行 岩手大学, 工学部, 助教授 (90194076)
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キーワード | 直接架橋接着 / ニッケルメッキ / トリアジンチオール / 酸化皮膜 / NBR / 界面構造 / ペルオキシッド架橋 / 硫黄架橋 |
研究概要 |
平成7年度の研究成果を以下にまとめて示す。 1)本接着法に適したニッケルめっきの表面状態をESCA,FT-IR測定装置及び表面製測定装置を用いて測定した結果、酸化皮膜の厚さを5〜10Åの範囲にあることが望ましく、酸化皮膜の膜厚は温度、時間の影響を受けて増加した。酸化皮膜の良好な厚さの範囲を維持するためにはトリアジンチオールによる浸漬処理が有効であった。摩擦係数や磨耗性などの物理的因子は影響しなかった。表面自由エネルギーは表面処理により接着に適正な値に調製できた。 2)ゴム配合の確立にはスイングレオメーター及び粘弾性スペクトロメーターを用いて加硫性を検討した結果、硫黄加硫系を用いた場合にはニッケルメッキ層を破壊させないためには早い加硫系が有効であった。また、トリアジンチオールの存在下ではペルオキシド架橋系においても有効な接着が可能であり、トリアジンチオールが界面結合の生成と補強層の生成に関与していることが解明できた。配合物の粘弾性的特性は必ずしも大きな影響を示さなかった。 3)界面構造の解明はESCA,X-線マイクロアナライザーなどにより行い,これを基にして検討した結果、硫黄架橋系においてもまたペルオキシド架橋系においても界面付近にトリアジンチオールとニッケルからなる反応物によって加硫ゴムが補強された補強層の存在が解明できた。 1)架橋接着の条件として、界面結合の形成と補強層の生成が不可欠であることが明らかとなった。
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