研究課題/領域番号 |
06506001
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研究種目 |
試験研究(A)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
磯部 稔 名古屋大学, 農学部, 教授 (00023466)
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研究分担者 |
日比 清勝 日本分光(株), 第二技術部, LC応用技術部課長(
大谷 郁子 名古屋大学, 農学部, 助手 (40247680)
市川 善康 名古屋大学, 農学部, 助教授 (60193439)
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キーワード | ルシフェラーゼの固定化技術 / 蛋白脱燐酸酵素阻害剤 / トートマイシン / 発光素子 / 生物発光 / 発光蛋白 |
研究概要 |
生物発光系の利用技術として発光物質・酵素・第3要素を必要とするホタルおよびトビイカなどを利用する。すでに確立しているホタルルシフェリン類縁体の化学合成・大腸菌にクローンし生産したルシフェラーゼの固定化技術を基本としてこれを改良しかつ高度利用を目的とする。まず今年度は、食品貝毒のオカダ酸など蛋白脱燐酸酵素阻害剤の超微量検出機を試作した。日本分光工業社製の液体クロマトグラフ装置・オートサンプラー・化学発光検出器などをもとに従来型の1000倍の感度をもつシステムを作り上げた。この試作により検出器の熱雑音や、発光反応カラムの問題点がわかったので、いくつかの改造を重ねれば来年度はさらに高感度に挑戦できるものと考えている。この装置を用いて実際に蛋白脱燐酸酵素阻害剤の活性を測定した。オカダ酸、カリクリン、ミクロシステン、トートマイシンなどを用い10^<-14>モル程度のルシフェリンで測定を行った。この際、TypeIIAのみならず、TypeIについても阻害活性を測定した。従来のpニトロフェノールフォスフェートを用いる場合よりも、基質濃度がきわめて低いので若干異なる値が得られた。トートマイシンの非天然型を化学合成して、5種類ほどの類縁体について阻害活性を測定した。エノン型に脱水したものは活性を無くしたが、無水マレイン酸環を開いたものは逆に5倍ほど強くなった。阻害剤の溶液中の分子の形を600MHzのNMRで測定し、コンピューターを用いたシミュレーション法で屈曲型の立体配座とその自由度が重要であると考察した。新発光技術として沖縄のトビイカから得られるカリウム・ナトリウムをトリガーとする発光蛋白についてその特性と性状を研究した。この蛋白は、発光物質を消費したあと数時間を経ると外部から発光素子を受け入れて光を出すことがわかった。この発光蛋白の新しい研究方法に繋がるもので重要な発見をした。
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