研究分担者 |
原 正一郎 国文学研究資料館, 研究情報部, 助教授 (50218616)
中村 康夫 国文学研究資料館, 研究情報部, 助教授 (60144680)
武井 協三 国文学研究資料館, 研究情報部, 助教授 (60105567)
松村 雄二 国文学研究資料館, 研究情報部, 教授 (10086689)
立川 美彦 国文学研究資料館, 研究情報部, 教授 (60270419)
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研究概要 |
昨年度の研究計画にしたがって,研究の推進と進捗管理を行った。国文学研究態様の把握とモデル化を行い,対応するシステムの概念モデルを確定し,具体的なシステムの設計,開発,運用を行った.国文学研究資料館の大型コンピュータとワークステーションなどを活用し,また国文学データベースを利用した研究を行った。 主たる研究成果は以下の通りである. (1)「漱石と倫敦」考という具体的な文学研究テーマに関して,マルチメディア対応の電子本を試作した。とくに,倫敦留学が漱石に与えた影響を,仮想現実空間として構成し,追体験をはかることを可能とするシステムを構築した。作品として「倫敦塔」を事例としている。研究成果は言語処理学会論文誌に発表した。 (2)平成6年度設計の国文学研究態様モデルを,具体的な研究テーマである「漱石と倫敦」考に適用し,普遍化の試みを行った。国文学研究の研究過程のモデルを構築した。とくに,「漱石と倫敦」考を対象として,電子書斎システムのプロトタイプ版を設計し,マルチモードワークステーション上に実装を行い,実験を進めた。次年度に,インターネット上のWWWサーバにシステムを構築する計画について,システム設計を行った。 (4)正保版本歌集「二十一代集」,および色絵の美しい「奈良絵本」を基に,画像情報,翻刻したテキスト情報,一部朗読による音声情報によるマルチメディア情報のデータベースを設計し,試作した。その高次利用法について,機能システム設計を行い,完成したデータはCD-ROM化を検討する。 (5)WWWサーバを用いる高度情報資源の利用方式について,「漱石と倫敦」考,および「二十一代集」を用いた実証実験を開始した。
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