研究課題
本年度は、国立天文台岡山天体物理観測所および東京大学理学部木曽観測所の観測データ(CCD画像データ)を対象としたデータア-カイブシステムの開発に重点をおき、両観測所の観測データの検索と画像早見の機能を持ったMOKA(Mitaka Okayama KisoData Archival System)を完成した。MOKAは日本におけるはじめての地上観測データ用ア-カイブシステムであり、すばる望遠鏡などの大型観測装置に対応して今後開発されていく大容量データア-カイブシステムの先駆けと位置づけられるものである。MOKAは現在関連研究者に試験的に公開されており、研究活動に活用する場合の問題点を洗い出している。また並行してより高度な機能を持ったより大容量のシステムMOKA2の開発を開始している。MOKAはその主要部分(検索と早見)以外にも様々な研究支援機能の開発成果を含蓄している。例えば、検索を補助するためのツール『ネ-ムリゾルバ』は天体名から座標を求めるものであり、現在100万天体がデータベースに入力されている。『ネ-ムリゾルバ』はMOKAと独立に動作することもできる。また、MOKAとは別途に天体カタログのデータベース化とその活用を進めてきた。第一段階として、最も利用価値が高いと思われるガイドスターカタログ(GSC)のうちで日本から見える星約1300万星のデータベース化を行い、インデックスの効果の実験を行って適当なインデックスを作成した。現在は、検索結果のプロットなどのソフトウエアの開発を続行している。
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