研究課題/領域番号 |
06554005
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
道家 忠義 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 教授 (60063369)
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研究分担者 |
増田 公明 埼玉衛生短大, 助教授 (40173744)
柴村 英道 埼玉衛生短大, 助教授 (30100605)
谷畑 勇夫 理化学研究所, リニアック研究室, 主任研究員 (10089873)
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キーワード | 液体アルゴン / 電離箱 / 高エネルギー分解能 / 高エネルギー(〜100MeV / n)重イオン / 2次元位置検出器 |
研究概要 |
今年度は、先ず、ターボ分子ポンプを中心とした排気系1式を購入すると共に液体アルゴン電離箱の設計に主力を注いだ。特に、ヒ-ム入射部に使用されるハァバ-・フォイルの厚さのむらは、エネルギー分解能の限界を決定してしまう。そこで、^<58>NIイオンを照射しそのエネルギー損失の2次元分布を2次元シリコン位置検出器を用いて測定し、それからその厚さの非一様性分布を求め、それが±5μmもあることを見い出した。おそらくこのような非一様性は鏡面反射近くまで磨くことによって±1μm程度までに押さえられるだろうと期待される。もし、そうなれば主題にあるような質量領域では、そのエネルギー分解能への寄与はほとんど無視し得る程度となることが分かった。厚さ200μmの内圧によるハァバ-・フォイルの湾みによる通過粒子のエネルギー損失の増加分の寄与を少なくするためステンレス・スティール製の格子でハァバ-・フォイルを支えるようにした。また、冷却部全体としては十数時間手を加えることなく測定が出来るように設計された。実際には液体窒素の自動補給装置の使用によりほとんど手間を掛けることなく使用出来る予定である。また、内部電極の取り換えを容易にする為の考慮もなされている。昨年末、発注され、順調に行けば3月末には出来上がる予定である。来年度4月より、真空テスト、焼きだしテスト、液化テスト等を経て6月に予定された第一回ビーム・テストに入る。この電離箱の陽極は、始めは、普通の伝導性の良い電極を使用するが途中から抵抗性電極に切り換え2次元位置検出が可能なようにする。そのテストは来年の秋になる予定である。
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