研究課題/領域番号 |
06554016
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福西 浩 東北大学, 理学部, 教授 (90099937)
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研究分担者 |
矢島 信之 宇宙科学研究所, 気球工学, 教授 (30200489)
田口 真 東北大学, 理学部, 助手 (70236404)
岡野 章一 東北大学, 理学部, 助教授 (10004483)
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キーワード | オゾン / 成層圏 / 気球観測 / オゾンゾンデ / 紫外線 / 光学オゾンゾンデ |
研究概要 |
1993年度に実施した気球実験結果をふまえて光学オゾンゾンデの設計見直しを行った。低価格化と軽量化を実現するために測定波長を302nmの1波長のみとした。また、太陽天頂角が90°より大きいときに観測するために可視領域のチャピウスバンドの吸収を利用したものも作製した。昨年度の試作機では、紫外光強度と可視光強度を機上で徐算した結果を地上に送信していたが、同時に測定した紫外と可視の信号をそれぞれ地上に送信し、データ解析時に徐算を行うようにした。新設計の光学オゾンゾンデは紫外吸収を利用したものを7台、可視吸収を利用したものを5台製作した。 紫外絶対光源を購入し、光学オゾンゾンデの感度設定と温度試験を行った。温度試験では恒温槽の中に光学オゾンゾンデを設置し、内部の温度を-20℃から+20℃まで10℃毎に変化させ出力を測定した。 試作した光学オゾンゾンデを用いて1994年5、8、10月に宇宙科学研究所三陸大気球観測所において、また7月にはノルウェー・スピッツベルゲンにおいて高高度気球による試験観測を実施した。そのうち5月には2台、7月には2台、8月には1台の紫外吸収型光学オゾンゾンデを、10月には1台の可視吸収型光学オゾンゾンデを放球した。5、7、8月の実験で得られたデータについては、温度検定で得られている感度の温度依存性データを用いて補正し、高度10kmから43kmの範囲のオゾン数密度分布が得られた。導出手法は紫外光強度の高度分布を微分しているため、結果がデータ上のノズルに影響されやすいという問題点がある。測定データにほどこしている平滑化の手法をさらに改良する必要がある。可視吸収型の光学オゾンゾンデ実験の結果からは、姿勢変化に対して安定したデータを得るために拡散板の形状・材質を改良する必要があることが判明した。そこで新しく設計しなおした拡散板を用いて地上試験を行い、姿勢変化に対する補正精度が改善された。
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