研究概要 |
平成6年度は紫外302nmのオゾン吸収測定用チャンネルと、可視420nmの姿勢補正用チャンネルをもつ光学オゾンゾンデを試作した。実験の前に、検出器・増幅器等の温度特性を恒温槽を用いて測定した。1994年5,8,10月に宇宙科学研究所三陸大気球観測所において7月にはノルウェー・スピッツベルゲンにおいて高高度気球による光学オゾンゾンデの試験観測を実施した。その結果、高度10kmから43kmのオゾン数密度分布が得られたが、測定データに施している平滑化の手法の改良、姿勢変化に対して安定したデータを得るために拡散板の形状・材質の改良、気球が膨張したときに気球表面で反射された太陽光が受光面に入らないようにする工夫が必要であることが判明した。平成7年度は、これらの見直しを行った。拡散板の入射角・波長依存性を実験室で精密に測定した。また気球が視野に入ることを防ぐために、気球の下端から光学オゾンゾンデまでの距離をこれまでの2倍の100mとし、さらに拡散板の上方2mの位置に直径60cmの黒い円盤を置いた。そして1995年9月と1996年1月に三陸大気球観測所において光学オゾンゾンデを用いてオゾン層の観測を実施した。1月の実験データについては現在解析中であるが、9月の実験データを解析した結果、高度数kmの波長のオゾン変動が見つかった。本研究により光学オゾンゾンデ及びそれによって得られた測定データからオゾン密度を導出する手法は完成された。
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