研究分担者 |
松田 滋夫 クローバテック株式会社, 取締役社長
須崎 聡 千本電機株式会社, 取締役
西村 清和 工業技術院地質調査所, 海洋地質部, 主任研究官
亀井 健史 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (30177597)
三瓶 良和 島根大学, 総合理工学部, 講師 (00226086)
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研究概要 |
前年度に湖底設置型音響観測装置の開発を行い,天候によらずに長時間連続の観測記録を得ることを可能にした。今回は,その研究を実証的に発展させ,湖縁(大根島入江)と中海湖心(建設省中海観測所)において,3月下旬〜5月中旬,7月下旬〜11月中旬の計6ヶ月間,塩分躍層の連続観測・解析を行った。また,音響観測の特性の検討と定量的な考察を行うため,流向・流速・塩分・水温・水深・濁度・pHの測定及び光ファイバー分布型温度計による広範囲の湖底温度分布測定も併せて行った。その結果,中海における塩分躍層動態を把握することができた。 中海における塩分躍層の変化及び湖水の動態は,天候(特に風向・風速)に大きく影響され,無風時(3m/S以,下波のない状態),強風時(12m/S以上)及び平常時(中海でもっとも多くみられる状態)でそれぞれ特徴的な傾向が観測された。 「無風時」には,塩分躍層は明瞭に形成されず,上層から下層までゆるやかな塩分勾配を示した。「強風時」には,下部高塩分層が風向と反対方向に大規模に移動して塩分躍層がなくなる様子が観測され,風が止むと下部高塩分層が戻り,再び塩分躍層が形成された。「平常時」には,10時ごろから吹きはじめる風速4-8m/Sの西風によって水深3〜4mに明瞭な音響反射面が形成された。今後は得られた音探,水質・流向・流速,気象・海況データの総合的吟味が必要である。
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