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1994 年度 実績報告書

原始太陽系と探るための同位体顕微鏡の試作

研究課題

研究課題/領域番号 06554021
研究機関東京工業大学

研究代表者

圦本 尚義  東京工業大学, 理学部, 助教授 (80191485)

研究分担者 松本 一哉  オリンパス光学工業株式会社, 技術開発本部, 電子デバイス研究室係
キーワードイオン検出素子 / 半導体素子 / 二次イオン質量分析 / 隕石 / 同位体 / 微量元素 / 二次元分析
研究概要

本研究の特色は,研究代表者達により新しく開発された二次元イオン検出素子を改良し,それをイオン顕微鏡型二次イオン質量分析装置に結合させることにより,研究代表者により提唱されている同位体顕微鏡システムを実用化させることである.予算執行年度年度初年度である本年はイオン検出装置を二次イオン質量分析装置に組み込むハードウェアとそれを制御するソフトウェアのプロトタイプシステムを完成させた.本システムの概要とそのプレリミナリーな性能は二次イオン質量分析法における最大の国際学会において報告され,論文が印刷中である.これにより,同位体顕微鏡の基本性能は達成されたことが証明された.また,この成果を応用して,原始太陽系の起源と進化を探るために,隕石の酸素同位体比の二次元分布が測定された.この測定により,隕石中の酸素の同位体異常が46億年前の太陽系形成紀に獲得した初生的なものであることが証明され,従来の二次的生成説を覆すこととなった.この成果は国際雑誌(Earth Planet.Sci.)に掲載された.また,地球において地殻がはじめて形成された時代の研究にも応用された.20億年より古い地殻の年代は,ジルコンという数十ミクロンの微小結晶中のウランと鉛を測定することにより決定できる.我々はこの測定に日本ではじめて成功した.世界での2番目の成功例である.その成果は早速地球誌に速報され,現在そのフルペーパーが国際雑誌(Geochem.J.)に印刷中である.このように世界初の同位体顕微鏡はいまだ開発途上であるにもかかわらず,そのプロトタイプを用いて,新しい成果が続々と得られはじめている.次年度は,研究計画にしたがい,新しい検出素子の開発を試み,同位体顕微鏡の性能アップに挑戦する.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 圦本尚義: "Oxygen isotope distribution in Allende CAI." Lunar Planet.Sci.XXV. 25. 1539-1540 (1994)

  • [文献書誌] 圦本尚義: "In-situ oxygen isotope analysis by SIMS." U.S.Geological Survey Circular. 1107. 363 (1994)

  • [文献書誌] 圦本尚義: "Micro-distribution of oxygen isotopes in a refractory inclusion" Earth Planet.Sci.Lett.128. 47-53 (1994)

  • [文献書誌] 圦本尚義: "A novel ion imaging device for SIMS." Secondary Ion Mass Spectrometry SIMS IX,Wiley. (印刷中). (1995)

  • [文献書誌] 圦本尚義: "Negative and positive metal-ion source for SIMS" Secondary Ion Mass Spectrometry SIMS IX. (印刷中). (1995)

  • [文献書誌] 角替敏昭: "SIMSによる大古代岩石のU-Pb年代" 月刊地球. 号外10. 62-66 (1994)

  • [文献書誌] 圦本尚義: "国体惑星科学の基礎的手法と応用。イオンマイクロプローブ" サイエンスハウス, 229 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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