研究概要 |
不均一系に存在する微小な粒子(たとえばプランクトン,細菌やその群体)のもつ生物活性を測定する新しシステムを構築する目的で,YAGレーザー・赤外顕微鏡・試料セル・ガス精製装置・質量分析計からなるLASMA(Laser Semi-Microprobe Analysis)法の開発を行う。初年度の結果は,以下の通りである。 1.レーザー光を顕微鏡に導入するためのアタッチメントを作成した。本研究で購入した赤外顕微鏡は,パルスレーザー搭載用のものであるが,そのレンズ系には,ここで用いるレーザーは出力が高すぎるため,出力のカットや集光のための改良を加えた。また,導入のための光ファイバー・コリメータについても,レーザー特性を保持できるものにした。 2.試料を特定雰囲気(たとえば,純酸素や真空)中に置くためのセルを作成した。今回は,1/2インチ径の石英ガラス管に分光側定用の石英セル(光路長2mm)を溶接し,テフロンフェルール・スウェジロックにより真空バルブに接続するものを考案した。 初年度は,1,2の設計,作製のため,相当の時間と経費を要した。そのため,レーザーによる燃焼条件の検討は進められなかった。しかし,レーザーを顕微鏡内・外から試料に照射できる系を作成でき,システムに柔軟性を持たせることができた。また,試料セルは,デッドスペースを極力抑えるという目的は達成できていないが,比較的安価に作製でき,多量の試料処理に適したものとなった。次年度以降において,燃焼条件の検討からトレーサー実験への応用までの目途をつけたい。
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