研究課題/領域番号 |
06554037
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
芦田 正明 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (50012422)
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研究分担者 |
落合 正則 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (10241382)
土谷 正和 和光純薬工業株式会社, 中央研究所, 研究員
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キーワード | ペプチドグリカン / ベータ-1,3-グルカン / リポポリサッカライド / 昆虫 / フェノールオキシダーゼ / 汚染検査 / リムルステスト / プロテアーゼ |
研究概要 |
1996年末に和光純薬工業株式会社より家蚕血漿がSLP試薬の名の下に細菌汚染検査試薬として発売された。発売以来、SLP試薬使用上の問題点が多々指摘されたが、その1つはSLP試薬がペプチドグリカンのいかなる構造を認識しているか明らかでないことと、SLP試薬がペプチドグリカンに特異的でないことであった。SLP試薬からproPOカスケード構成要素のうちbGRP(ベータ-1、3-グルカン認識タンパク)だけを除くことで、SLP試薬がペプチドグリカンによってだけ引き金がひかれるようにする方法はすでに報告している(Biochem. Biophys. Res. Commun. 141,1177-1184(1986)。しかし、1986年に報告した方法では、CS-plasmaの操作途中でProPOカスケードが活性化してしまうことが頻繁におこり、安定してペプチドグリカンだけに反応するカイコ血漿を試薬として供給することが困難であった。我々はCS-plasmaをカードランとインキュベートする条件を種種検討し、ProPOカスケードが活性化される危険がほとんどない条件下でCS-plasmaをカードランとインキュベートする方法を見いだした。この方法でカードラン処理されたCS-plasma(plasma-PG)はザイモサンとペプチドグリカンをエリシターとして検討したところ、ペプチドグリカンにたいする感度がザイモサンに対するそれよりも1万倍程高いことが観察された。今後、この方法をさらに改良すれば、ペプチドグリカンとだけ特異的に反応するCS-plasmaの製品化に道がひらけると思われる。 上記の研究以外に本年度はproPOを活性化する酵素前駆体(proPPAE)のcDNAクローニングを行った。
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