研究概要 |
現在の原生動物における分類体系は,1980年にN. D. Levine博士を委員長とする委員会によって提案された「原生動物の分類に関する新しい改正案」に準拠したものとなっている。それによれば原生動物は(1)肉質鞭毛虫類,(2)ラビリンツラ類,(3)アピコンプレックス類,(4)微胞子虫類,(5)アセトスポラ類,(6)ミクソゾア類,(7)繊毛虫類の7門で構成され,種数としては65,000種以上にものぼっている。 本研究の目的は,これらの原生動物の分類体系を系統的に整理し,原生動物の分類と種の同定に関するパソコン用ソフトウェアを開発することにある。そこで,本年度は昨年度すなわち平成6年度に作成したN88 BASIC言語による原生動物種の検索プログラムにデータを入力することに全力を注ぎ作業を行ってきた。その結果,肉質鞭毛虫類(寄生種約2,050種,自由生活種約16,400種)に関するデータの入力はほぼ完了したが,繊毛虫類(寄生種約2,500種,自由生活種約4,700種)に関するデータについては現在の段階で整理中であって入力の作業にまでは至っていない。今後は引き続き,未整理である他の5門の原生動物のデータ整理とその入力に向けて作業を急ぐ予定である。さらに,将来的には,レーザービデオディスク装置を活用した原生動物の画像データの組み入れと原生動物の分類に欠かすことのできない過去の分献に関する情報の入力も含めた作業もあわせて行うことを計画している。
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