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1995 年度 実績報告書

レーザー光放射圧に基づく光泳動動的光散乱法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 06555009
研究機関北海道大学

研究代表者

朝倉 利光  北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (70001188)

研究分担者 原田 康浩  北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80198928)
岩井 俊昭  北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (80183193)
魚住 純  北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (50184982)
キーワード光放射圧 / 動的光散乱 / ブラウン運動 / 光泳動 / Fokker-Planck方程式 / 多重散乱 / 後方散乱エンハンスメント / 光拡散方程式
研究概要

1.微粒子を空間の一点に局在する双極子とみなし、それに作用するレーザービームの放射圧の理論式を統一した単位系のもとで矛盾なく導出し、その有効性を検討した。導出した理論式は、可観測なレーザービームのパラメータと粒子の粒径および屈折率によって単純な関数で表わされる。さらに、定性的な特性のみならず、その絶対値と空間分布が波動光学に基づく厳密解の結果と非常に良く一致する。すなわち、放射圧下の微粒子のブラウン運動と散乱光の時空間統計特性を解析的に調べる上で非常に有用な表現式を得た。また、放射圧のビーム横断面成分は、従来の双極子モデルの適用粒径範囲を越えた大きな粒子でも使用可能であり、その上限はビームのスポットサイズで決まることを明らかにした。
2.放射圧下の微粒子分散系からの散乱光の時空間特性をFokker-Planck方程式を基にして定量的に調べた。その方法として、(1)導出した放射圧の理論式を用いた解析的近似解および(2)計算機シミュレーション、さらに(3)波動光学に基づく厳密解を用いた計算機シミュレーションの3つの手法を用い、前年度に行った実験結果に対する各手法の有効性および問題点について比較検討した。その結果、散乱光の時空間特性に及ぼす光放射圧の影響は、第2番目の手法によって十分に再現できることを示した。特に、時間相関関数が単一の負指数関数から逸脱するという実験事実とその粒径およびレーザーパワー依存性が、この手法によって定量的に評価できることを示した。
3.前年度に行った多重散乱媒質からの後方散乱光の時空間特性の粒径・偏光依存性を統一的に扱うために、散乱光強度ゆらぎの相関時間の後方散乱角依存性を光拡散方程式に基づく理論と実験により解析した。その結果、相関時間においても、後方散乱ピーク形状の粒径・偏光依存性に対応した角度依存性が存在することが明らかとなつた。すなわち、多重散乱媒質からの散乱光の時間特性も、この散乱方向に特有な多重散乱光のコヒーレントな干渉効果によって支配されるを示した。特に、逆反射方向での相関関数はインコヒーレント散乱光のそれと一致することを理論的に導出し、実験により実証した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Iwai,F.Furukawa et.al: "Numerical analysis on enhanced backscatterings of light based on Rayleigh-Debye scattering theory" Optical Review. 2. 413-419 (1995)

  • [文献書誌] 原田 康浩: "動的光散乱における光放射圧の影響 -双極子近似に基づく解析とシミュレーション-" 電子科学研究. 3. 78-82 (1995)

  • [文献書誌] Y.Harada and T.Asakura: "Radiation forces on a dielectric sphere in Rayleigh scattering regime" Optics Communications. (to be published). (1996)

  • [文献書誌] 朝倉 利光: "光散乱計測-レーザーを用いた散乱現象の産業応用-" (財)レーザー技術総合研究所, 53 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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