研究課題/領域番号 |
06555019
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高木 堅志郎 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90013218)
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研究分担者 |
徳井 孝明 旭化成工業, 研究員
酒井 啓司 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (00215584)
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キーワード | リプロン / リプロンスペクトロスコピー / 光散乱測定 / 光ヘテロダイン分光法 / ラングミュア膜 / 2次元相転移現象 |
研究概要 |
ラングミュア膜とは両親媒性分子が液体表面に単分子膜となって展開したもので、理想的な2次元系の物質として物性物理の興味深い対象であるのみならず、機能性有機薄膜であるLB膜の前駆体として工業的にも重要である。ラングミュア膜はその環境によって様々な相変化を起こし、不均一構造を形成する。均一なLB膜を作製する上でその材料であるラングミュア膜の構造を水面において観察することは極めて重要である。また2次元の相分離・相転移現象を解析するうえで、ラングミュア膜のモルフォロジーは貴重な情報を与えるとおもわれる。しかしながらラングミュア膜は、厚みが分子一層分しかないためにその光学的観察は極めて困難である。最近我々はリプロン光散乱法を開発し、液体表面の機械的な性質の差異に着目して膜の凝集状態をモニターすることに成功した。走査測定により膜の力学物性のマッピングを行うことで、ラングミュア膜の構造を可視化することができる。本研究では十分な空間分解能と迅速性を有する走査型リプロン顕微鏡の開発を行う。本年度は実際に走査型のリプロン顕微鏡を製作し、その空間分解能、表面弾性率測定精度の評価を行った。さらに実際にミリスチン酸単分子膜の相分離状態を測定し、温度によってドメイン形状が変化する様子を観察することができた。また温度変化に伴うラングミュア膜の気-液相転移を観察し、各相の表面弾性率変化から2次元の気液臨界現象を見出した。
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