複数自動車-乗員連成系の斜衝突事故シミュレーションと人体内部構造の影響評価

1994 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 06555029
• 研究種目: 試験研究(B)
• 研究機関: 広島大学
• 研究代表者: 蔦 紀夫 広島大学, 工学部, 教授 (80221414)
• 研究分担者: 藤久保 昌彦 広島大学, 工学部, 助教授 (30156848) ; 多賀 宏二 マツダ(株), 車両実研統括部, 主任研究員 ; 岡本 伸吾 広島大学, 工学部, 助手 (10243594)
• キーワード: 複数自動車-乗員連成系 / 斜衝突解析 / 斜衝突・等価クラッシュ部材モデリング / 衝撃吸収部材の動特性実験 / 試験台車-けん引系試作 / 衝突実験

研究概要

平成6年度の研究は予定通りで行った、その実績の概要が次のようにまとめる。
(1)複数自動車〜人体多質点系の斜衝突解析システムを構築した。
人体を頭、上体、手腕系、脚肢系の15質点と14関節から成る動力学系にモデル化し、クラッシュ要素を装着した自動車の車体、前後車軸、サスペンション、タイヤ、E/G支持系などから成る3質点16自由度の動力学系モデルと組合せて、対抗車斜衝突時の人体、車体応答のシミュレーションシステム構築を終了した。これを用いて、車速や、衝突角度を変化させたパラメータ解析を行い、車体および乗員の応答特性を明らかにした。
(2)斜衝突・等価クラッシュ部材モデルを構築した。
実車のエネルギー吸収用クラッシュ部材について、折れ角や衝突角度を変化させた1/3スケールモデルを製作し、静的実験および製作した落錘衝撃試験機を用いた塑性崩壊実験を実施した。これより崩壊モードやエネルギー吸収特性の衝突角度による差異を実験的に明らかにすると共に、軸力と曲げの全塑性崩壊解析による結果から、実車の衝撃吸収部材の斜衝突時のエネルギー吸収特性を明らかにした。
(3)試験台車・けん引系の設計・製作と乗員なし衝突実験およびシミュレーション結果との比較を行った。
実車1/3相当の試験台車(1.5m,100Kg,周辺クラッシュ部材付)2体とモーター・ドラムロープ系の牽引装置2体を製作した。平成6年度末まで乗員なしの衝突実験を行い、既存の高速度カメラによる計測結果から衝突過程における2体の車体運動プロセスを(1)のシステムシミュレーションの結果と比較して、システムの検証,改良を計画通りで終了した。

研究成果

• [文献書誌] Bai,J.,Tsuta,T.Fujikubo,M.Taga,K.: "Analysis of Muscles Forces in Driver Joints under Car Collision" 2nd Intern.Symp.on Computer Methods in Biomechanics Bc Bio.Eng.,21-24,Sepi.1994.UK. (1994)
• [文献書誌] Bai,J.,Tsuta,T.: "Dynamic Modeling of Human Body and Identification of Joint Parameters" Third World Cogress on Computational Mechanics,Aug,Chiba,Japan. (1994)
• [文献書誌] Bai,J.,Tsuta,T.: "Analysis and Experiments on Energy Absorption Characterictes of Crash Member and their Compesite Durng skew Car Collision" The Fifth Intem.Symp on Plasticity and Its Current Applications,17-21,Judy,1995,Osaka. (1995)
• [文献書誌] Bai,J.,Tsuta,T.: "Large Motion Response Analysis of Multi Body Dynamics by Using Updated Lagrangian Method" 1995.ASME/JSME PVP Conf.,Hawaii,. (1995)