研究課題/領域番号 |
06555041
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
毛利 尚武 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90126186)
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研究分担者 |
大泉 敏郎 三菱電機(株), 名古屋製作所メカトロ技術部, 次長
古谷 政典 トヨタ自動車(株), 工機管理部, 室長
古谷 克司 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00238685)
恒川 好樹 豊田工業大学, 工学部, 教授 (50148350)
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キーワード | 放電加工 / 放電分散 / 表面処理 / 圧粉体電極 / インチワ-ム機構 / ドットマトリクス / マシニングセンタ / ロボット |
研究概要 |
本研究は、放電加工によってクラックのないしかも耐食性や耐疲労特性を具備した表層を有する部品の加工を実現する新しい加工機械の実現を目指している。平成8年度は前年度までの研究成果を踏まえて以下の項目を実施した。 1)放電加工機主軸装置の製作とその実用化試験 直径0.1〜0.3mmのタングステンワイヤをインチワ-ム機構によって直接駆動する装置を試作しこれを主軸とした放電加工を実施した。また上記駆動装置を6つ束ねたドットマトリクス型の放電加工主軸機構を開発し、放電パルスを順次分配することにより放電分散の効果を確認した。 2)マシニングセンタおよびロボットによる放電加工システム化 マシニングセンタの主軸に電極を取り付けて放電加工を実施した。特に仕上げ加工においては極間にシリミン粉末を混入することにより放電は分散しサブミクロン程度の表面粗さが実現した。また直流モータによる3本のリニアアクチュエータを協調駆動することにより、姿勢制御を可能にしたロボット用エンドイフェクタを開発した。これによりロボットを用いたミクロンオーダの精密放電加工が可能であることを確認した。 3)各種加工対象の実加工評価 圧粉体電極やシリコン電極による放電表面改質加工を試み、冷間鍛造金型や切削工具の寿命試験を実施した。特に超硬材料を母体とした切削工具においては、TiC圧粉体を電極とした放電加工による極めて簡易的な方法でその寿命を2倍程度に向上させることに成功している。 4)放電点温度と加工圧力の加工性能に及ぼすえいきょうの確認 細線電極による表面処理放電加工では電極での熱の伝達が1次元的拡散に制約されるため放電点温度が上昇し、極端な電極消耗が観察された。これによる精密放電処理の可能性を見いだした。また細線電極に対して横方向から放電を発生させて電極の振動を観察することにより加工圧力を測定した結果,千N程度の反力を確認した。
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