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1994 年度 実績報告書

高周波焼入れ歯車の残留応力と最適焼入れ条件に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06555046
研究種目

試験研究(B)

研究機関鳥取大学

研究代表者

小田 哲  鳥取大学, 工学部, 教授 (50032016)

研究分担者 小出 隆夫  鳥取大学, 工学部, 助教授 (60127446)
宮近 幸逸  鳥取大学, 工学部, 助教授 (30157664)
キーワード歯車 / 高周波焼入れ / 残留応力 / 曲げ疲労強度 / 歯面強度 / 電磁界解析 / 熱伝導解析 / 弾塑性応力解析
研究概要

本研究では,まず軸の高周波加熱過程における温度の時間的変化を,被加熱物および加熱コイル内に生じる電流密度分布に着目して,有限要素法(FEM)による電磁界解析,熱伝導解析法を用いて計算するとともに,温度測定を行って,計算値と測定値を比較することにより本計算法の有効性を確かめた.次に軸の高周波焼入れ過程における温度・応力,焼入れによる残留応力および焼入れ後の硬さ分布をFEMによる電磁界解析,熱伝導解析,弾塑性応力解析法を用いて求め,これらに及ぼす焼入れ条件の影響などのついて検討を加えた.その結果次のようなことが明らかになった.
1.軸の高周波加熱過程の温度の計算結果と測定結果はよく一致するので,本計算法は軸の高周波誘導加熱過程の温度計算に有効である.2.軸長さがコイル長さよりも長い場合の高周波誘導加熱過程において,表面温度は軸直角断面中央おいて最も高く,コイル端から軸端に向かって,また軸中心に向かって急激に低下し,その程度は加熱電力の増加とともに増大する.3.加熱効率(被加熱物とコイルのすき間:2mm)は,周波数の高い場合には加熱初期に96%程度で,表面温度がキュリー点(768℃)付近に近づくと低下し,加熱終了時には90%程度になる.周波数が低い場合には,加熱初期には92%程度で,表面温度がキュリー点に近づくと上昇して加熱終了時には95%程度になる.4.高周波焼入れ過程における温度,応力の時間的変化を求め,残留応力の発生機構についてかなり明らかにすることができた.
また購入設備備品のローカルプロセッサは,AE(アコースティック・エミッション)による高周波焼入れ歯車の損傷・予知に関する研究に用いるもので,本年度は到達時間差測定法によるAEの検出について検討を加え,その有効性を確かめた.次年度以降においては,軸の高周波焼入れによる残留応力に及ぼすコイル形状,コイルと被加熱物とのすき間,段および切り欠きなどの影響について明らかにするとともに,歯車の高周波焼入れ過程のシミュレーション,曲げ疲労強度に及ぼす残留応力の影響などについて明らかにして行く.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 宮近幸逸: "Calculations of Temperature and Stress of Circular Bar during Induction Hardening" IACM WCCMIII The Third World Congress on Computational Mechanics Extended Abstracts. Vol.II. 1928-1929 (1994)

  • [文献書誌] 宮近幸逸: "軸の高周波焼入れ過程の温度・応力" 日本機械学会講演論文集. 955-1. 231-232 (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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