研究課題
基盤研究(A)
1.圧力センサー材料(マンガニン)の温度特性の向上:マンガニンの組成を研究当初の(83Cu、14Mn、3Ni(wt%))から、(87.4Cu、9.6Mn、3.0Ni(wt%))に改良した。これにより温度感度が-76×10^<-6>(Ω/Ω)/℃から-(6〜25)×10^<-6>(Ω/Ω)/℃に向上した。これより、単位温度あたりの誤差は-3.45MPa/℃から-(0.3〜1.3)MPa/℃と大幅に低減した。2.圧力センサーのひずみ感度の低減:センサーの感知部形状を従来の単線型から、φ1mmの円形(一部にφ1mmの切り欠き有り)及び半径φ0.4mmの半円を組み合わせた形状に変更した。この結果、ゲージ率が大幅に低減し、3.で述べる薄膜ひずみゲージによるひずみ影響の補正値も従来より精度が向上した。3.薄膜ひずみセンサーの材料開発:圧力センサーが受けるひずみの影響を補正するために、圧力、温度に対する感度が無く、ひずみ感度のみを持つ薄膜ひずみセンサーを開発した。材料の組成は(70.5Ni、18.5Cr、11.0Al)である。4.薄膜金クロムセンサーの開発:ゲージ率が0で温度感度が無く、圧力感度のみを持つ薄膜圧力センサー材料として組成が(96.4Au、3.6Cr)[wt%]及び(97Au、3Cr)程度の金のクロム合成にその可能性があることがわかった。膜厚は0.3μm(評価型表面粗さ測定器、平成6年度)である。5.主軸受への成膜時の膜欠陥の原因究明:主軸受にセンサーを形成した場合、膜にレンズ状の欠陥が生じる原因は、成膜中の軸受の表面温度が150℃以上になると発生し、この欠陥は軸受合金に含まれるSn、Pbであることがわかった(蛍光式光ファイバー温度計、平成6年度購入)。6.上記1、2、5を応用したセンサーにより、ディーゼルエンジン及びガソリンエンジンの主軸受油膜圧力測定に成功した(ストレインアンプ、平成6年度購入)。7.ピストンピンボス部の油膜圧力測定:ピストンピン摺動面にセンサーを形成し、ピンボス部の油膜圧力測定に成功した。センサーの絶縁膜と保護膜は従来のSiO_2からAl_2O_3に変更した。これは膜の強度向上をはかり、センサーの耐久性向上に効果がある(連続加重式表面性試験機、平成7年度購入)。また圧力感知部はマンガニンであるがリ-ド膜部はアルミニウム合金にすることで測定精度を大幅に向上させた。
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