研究課題/領域番号 |
06555051
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大場 利三郎 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (40006169)
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研究分担者 |
佐藤 一教 バブコック日立(株), 呉研究所, 研究員
祖山 均 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (90211995)
井小萩 利明 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (90091652)
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キーワード | 高速水中水噴流 / キャビテーション / ピ-ニング加工 / 噴流壊食 / 気泡崩壊衝撃圧 / キャビテーション気泡雲 / 残留応力改善 / 数値シミュレーション |
研究概要 |
キャビテーション壊食エネルギーの有効利用技術の一つとして、高速水中水噴流によるピ-ニング加工の新技術を確立することを目的に、加工特性に係わる水噴流の構造と非定常挙動を解明するとともに、ピ-ニング効果の実験的検証などを行った。本年度の研究成果の概要を以下に示す。 1.噴流加工におけるモニタリング法を確立するため、キャビテーション・ノイズと衝撃圧パルスをハイドロフォンとAEセンサにより計測した。自由噴流における最大音圧発生領域の検出に成功し、衝撃噴流における音響パワーと壊食率の間に指数則が成立することを明らかにした。 2.噴流加工に及ぼす材料表面曲率の影響を明らかにするため、各種円筒上の衝撃圧分布を測定し、噴流幅が曲率半径より小さい場合は加工特性にほとんど影響がないこと、大きい場合は噴流の増速効果で衝撃圧発生領域が円筒背面まで広く分布することなど、加工施工上の有用な知見を得た。 3.水中水噴流の加工能力に直接係わる非定常気泡雲の破断特性を明らかにした。すなわち、破断周波数は壊食曲線の第1ピーク付近で極大となり、液柱塊の断続的衝突による壊食機構が確認された。また、円筒ノズルが高い破断頻度を示し、壊食作用が最も強い事実と符合することが明らかとなった。 4.ピ-ニング加工技術の成否を左右する水噴流のピ-ニング効果を検証するため、ステンレス鋼試験片の残留応力をx線応力測定法により計測し、加工前の引張残留応力が表面損傷なしに圧縮残留応力に改善することを定量的に明らかにした。 5.キャビテーション気泡雲を伴う水中水噴流の非定常挙動を数値シミュレーションより解明するため、圧縮性気液二相流に基づく計算コードを開発し、気泡雲中の衝撃波の存在とその破断現象の係わりを明らかにした。
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