研究課題/領域番号 |
06555054
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
黒川 淳一 横浜国立大学, 工学部, 教授 (40017976)
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研究分担者 |
山本 和義 (株)荏原総合研究所, 副所長(研究職)
北洞 貴也 横浜国立大学, 工学部, 助手 (30204910)
松井 純 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (40251756)
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キーワード | 旋回失速 / スワールブレ-カ / ディフューザ / 流体機械 / 旋回流れ |
研究概要 |
案内羽根無し、あるいは案内羽根付きディフューザ内で発生する旋回失速は、ポンプや送風機、圧縮機の安定的な運転可能範囲を狭めるだけでなく、それにより生じる非軸対称な流体力が軸受けにも深刻な損傷を与える。そのため、これまでに多くの研究が行われ、この不安定現象を抑制するための方法が探求され提案されてきた。しかしながら、これまでに提案された方法のほとんどが複雑なメカニズムを必要としているため、ターボ機械の全体効率を減少させてしまっている。そこで本研究では羽根付き、および羽根無しディフューザ内の旋回失速を受動的に制御し抑制するために、浅い放射状の溝を用いた新しい機構であるスワールブレ-カを提案し、これをディフューザ壁面上に設けた場合の旋回失速に及ぼす効果を明らかにすることを目的としている。まず始めに、内外径比の異なる2種類の羽根無し平行壁ディフューザについて、旋回失速の基本的特性を実験的に解明している。その後、これにスワールブレ-カを取り付け、その効果を確認した。その結果、ほとんど全ての流量範囲で、3mmの深さのスワールブレ-カを片側の側壁に取り付けた場合には、羽根無しおよび羽根付きディフューザの旋回失速を完全に制御できることが明らかとなった。また両側壁上にわずか1mmの深さのスワールブレ-カを取り付けた場合でも、旋回失速を抑えることができた。放射状の溝のこのような強い効果の原因としては、主流と溝内を通過した流れの混合による周方向速度の大幅な低下と、溝内の逆流による半径方向速度の著しい増加の2つが考えられることを理論的に示した。また、スワールブレ-カによる水力損失の増加量も実験により確認している。
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