研究課題/領域番号 |
06555060
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
大竹 一友 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (80016427)
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研究分担者 |
鈴木 富雄 (株)神戸製鋼所, 機械研究所, 主任研究員
植杉 賢司 (社)電線総合技術センター, 主任研究員
成瀬 一郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (80218065)
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キーワード | 廃棄物処理 / 産業廃棄物 / サーマルリサイクル / 燃焼 / リサイクル / 動力用電線ケーブル / プラスティックス / 微粉化燃焼 |
研究概要 |
動力用電線ケーブルの被覆材は、ケーブル更新に伴い年間約15万トンにのぼる量が埋立廃棄されている。しかし、このような埋立廃棄は、エネルギー回収の面から不合理であるばかりでなく、環境破壊の一つの要因として中止すべきことは論を待たない。このような背景から、本研究では、熱エネルギー回収における動力用電線ケーブル廃棄被覆材の実用燃焼技術開発に必要な基礎燃焼特性のより詳細な解明と本システムの実用化を支援するための総合的な燃焼特性を明らかにすることを目的とする。本年度では、まず、廃棄被覆材の物理・化学的物性の解明、パルスフィード式電気加熱炉による着火温度測定、電気加熱式層流1次元小型燃焼炉による最適燃焼条件の探索および旋回式乱流燃焼実験炉による実用燃焼特性を、一般的な微粉炭燃焼と対比させながら明らかにした。 熱天秤による実験結果として、本実験で使用した廃棄被覆材は、2段階で燃焼し、第1段階では揮発分燃焼であり約500Kから開始する。一方、第2段階は残留固形分の表面燃焼であり、約700〜800Kの温度範囲で生じる。パルスフィード式着火温度測定装置により着火温度の粒径依存性を実験したところ、150〜300μmの粒子が最低温度を示しまた着火温度のばらまきも少ない。そこで、この粒径粒子を電気加熱式層流1次元燃焼炉によって燃焼させたところ、炉上流でCOならびに低級炭化水素が生成するものの炉出口ではすべて完全燃焼する。以上の基礎燃焼実験より、廃棄被覆材の燃焼性は一般的な微粉炭よりも良好であると判断し、次に旋回式乱流燃焼炉による実用燃焼実験を行ったところ、微粉炭粒子よりも約6倍大きい300〜440μmの粒子でも完全燃焼が可能となる。来年度では、旋回乱流式燃焼炉で完全燃焼可能な粒径限界ならびにそのための最適装置および操作パラメータの究明を行う。
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