研究課題/領域番号 |
06555062
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小野 信輔 九州大学, 工学部, 教授 (80037738)
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研究分担者 |
川野 英昭 九州大学, 工学部, 助手 (30037915)
花田 邦彦 九州大学, 工学部・, 助手 (30037874)
平山 義則 九州大学, 工学部, 講師 (40253504)
村瀬 英一 九州大学, 工学部・, 助教授 (60150504)
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キーワード | 多重点火 / 旋回流 / 熱発生率 / 低NOx / 点火時期遅延 / ノッキング |
研究概要 |
スワールを利用した多重点火方式は複数火炎の形成と対流運動による初期燃焼のアクティブ制御を可能にするものと考えられるが、実現のために解決すべき課題は多い。今年度は、単筒実験機関を用いて、点火時期を遅延させると同時に後発火炎を形成して初期燃焼遅れを回復し、有効仕事の減少を抑える手法を確立するため、初期点火時期変更、後続点火時期変更、燃料濃度変更によって機関性能まっぷを作成した。後発火炎の形成は、熱発生率増加を促進し、平均有効圧力を増加するが、同時に燃焼最高圧力の増加を通じてNOxの増加につながる。しかし、初期点火を遅らせることによって最高圧力を抑え、平均有効圧力を下げずにNOx低減が可能な領域の存在を明らかにした。初期点火時期の遅延は大幅なNOx低下につながるが、後発火炎の形成によってはさほど増加しないことが分かった。以上の結果から、第一点火時期とそれに続く後発点火時期を制御することによって出力を下げることなくNOx低減が可能なこと、燃焼供給制御も併せると広範な運転範囲で高効率、低NOxの最適制御が可能なことを実験的に明らかにした。また、この方式での後発火炎による燃焼促進では、最高燃焼圧力、燃焼最高温度ともに増加することにはならないため、ノッキングの発生が希薄域でも十分抑えられることが分かった。 複数火炎塊の発達とそれらの合体過程、偏平燃焼室での円筒状火炎伝播過程がすべて断熱的である。という仮定と、火炎広がりの工学的観測から得られる火炎速度の情報をもとにしたシミュレーションによって後発火炎による燃焼回復過程が明らかになった。
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