研究概要 |
異なる時間の2つの画像からフィルタリングと連立2元方程式の解法を行ってオプティカルフローを計算する既存の方法において,特定方向の動き抽出の2次元空間フィルタとしては,その方向に微分型で,直角方向にはガウス型となるフィルタが適していることを実験的に確かめた.また,2つの画像に対するフィルタ出力を平均した結果を用いることによって,得られるオプティカルフローの精度が向上することがわかった. より信頼性のあるオプティカルフローとその信頼性を求めるため,多くの方向に適した空間フィルタを用い,その結果に統計処理を行う方法を検討した.購入したワークステーションでシミュレーションを行なって,その有効性を確かめた.この処理は計算量が多いため,実時間計算のためには多数のプロセッサが必要であることがわかった. 既存のDSPシステムを用いて得られるオプティカルフローから,物体を追跡する研究を行なった.まず,視野内の動いている物体を検出し,そのオプティカルフローの平均値が急に変化しないという条件から,次の時間にもその物体を検出し,それをカメラの中心で捕らえるように,カメラ台を回転させながら物体を実時間で追跡する方式とした.購入したカメラやモニタテレビを用いてシステムを構成して,実験を行なった。次に,同時に2つの物体を追跡する方法を研究して,どうように実験を行なった.その結果,緩やかな動きで,背景と動きに差があれば,追跡できることがわかった.さらに改良するためには,動き情報だけでなく,距離情報,濃淡情報,あるいは対象に関する知識などを組み合わせることが有効であることがわかった.
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