研究概要 |
1.封入ガスの種類および封入圧 前年度の実験結果として,ガス組成としてはHg+Xeがよく、その場合のXe封入圧は、4〜10[Torr]の範囲でテストした結果として、圧力が低いほど、即ち4[Torr]の場合に最も良い結果が得られていた。 そこで、今年度は更に圧力の低い2〜4[Torr]のランプを製作して測定を行った。その結果ではやはり圧力の最も低い2[Torr]に対して、色温度の変化幅が2500K〜6500Kと最も大きくとれるという結果が得られた。広範な色温度制御という面では更に低いXe封入圧もあり得ると考えられるが、これ以上封入圧の低いランプは、製作上の問題があり、封入圧のテストはここまでとした。 2.印加電圧の波形・周波数 色温度の制御は、放電管に軸方向放電と管壁放電の2組の電極を配置して、それぞれの放電の発光色の異なるようにして行う。前年度は主として両方の放電に正弦波を用いて測定を行ったが、今年度は管壁側の放電には主として矩形波を用いた。その理由は、管壁放電は負荷として見た場合極端な容量性負荷であるため、電流波形は電圧の微分に近い波形となっている。矩形波の場合には毎サイクルの立ち上がり部分での電流は結構大きく、励起レベルの高いスペクトルの負グローの発光効率が良く、得られる輝度の割に管壁温度の上昇が小さくて、結果として輝度の上限が大幅に向上できるためである。この結果、輝度は最大8,000[nt]に達し、実用レベルに近いと言える。管壁放電は強い容量性負荷であるから、周波数は輝度に大きな影響があり、周波数だけで色温度の制御が可能である。
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