研究概要 |
1.ランプ外壁の透明電極 透明電極の膜厚と抵抗値・光透過度との関係などを調べた結果、ITO膜厚はあまり厚くする必要はなく、0.3μm程度で十分であることが判った。 2.封入ガスの種類および封入圧 封入ガスとしては、(1)Hg+Ne, (2)Hg+Xeの2種類の組み合わせについて調べた。(1)の赤系発光にNeの負グローを利用する方法は管壁温度の上昇のため、赤系の輝度の上限は500[nt]程度で、実用には不十分であった。 一方、(2)の管壁発光にXe紫外線の刺激による蛍光を利用する場合の輝度は1000[nt]以上で実用に耐え得るレベルであった。Xeの封入圧としては、2〜10[Torr]の範囲で調査した結果、封入圧は低いほど色温度の可変幅が大きい(2500〜6500K)という結果が得られた。 3.蛍光体の選定およびそれらの組成比 (1)軸方向放電による水銀紫外線用白色蛍光体として"NP10",管壁放電によるXe紫外線用赤色蛍光体に"NP360"を用いる場合と、(2)温白色蛍光体として"NP92-70",青色蛍光体として"NP1047"を使用する場合、何れの場合にもそれらの混合比は"1:1"程度が適当であった。 これはあくまでも現在市販されている蛍光体の中から選んだ組み合わせであり、実用化に向けては、蛍光体メーカーの協力を得て新しい蛍光体を含めて一層の検討が必要である。 4.印加電圧の波形・周波数 色温度の制御は、放電管に軸方向放電と管壁放電の2組の電極を配置して、それぞれの放電の発光色の異なるようにして行うが、管壁放電には正弦波よりも矩形波の方が得られる輝度の割に管壁温度の上昇が小さくて輝度の上限が大きかった。軸方向放電と合わせた全輝度は最大8000[nt]であった。
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