研究課題/領域番号 |
06555090
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研究機関 | 西東京科学大学 |
研究代表者 |
高橋 清 西東京科学大学, 理工学部, 教授 (10016313)
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研究分担者 |
小長井 誠 東京工業大学, 工学部, 教授 (40111653)
斉藤 幸喜 西東京科学大学, 理工学部, 講師 (60225703)
松澤 剛雄 西東京科学大学, 理工学部, 教授 (00229460)
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キーワード | MOCVD法 / ZnO / 太陽電子用透明導電膜 / D_2O / ALD法 |
研究概要 |
本研究の目的は、太陽電池用ZnO透明導電膜の開発である。本年度は、ジエチル亜鉛とH_2OおよびD_2Oを用いた有機金属気相成長法(MOCVD法)におけるZnO膜の成長機構を解明し、得られたZnO膜を用いてa-Si太陽電池を製作した。さらに、より制御性のよいZnO膜の成膜法として原子層堆積法(ALD法)および成長中に紫外光を照射する光ALD法を試みた。その結果、以下に示す成果が得られた。 1.ZnO膜の成長機構についてさらに詳細に検討を行い、反応過程を明らかにした。具体的には、H_2Oを用いた場合には膜形成種としてZnO(OH)_2が支配的であるが、D_2Oを用いた場合にはZnO(OD)_2が支配的となり、この膜形成種の違いにより、テクスチャー構造が得られる温度が変化することが明らかとなった。 2.a-Si太陽電池のn層と金属電極の間にごく薄いZnO膜を挿入することにより、n/金属界面でのショットキー障壁の高さを制御できることを、数値シミュレーションおよび実験により明らかにした。そして、得られたZnO膜をa-Si太陽電池の透明導電膜および裏面反射膜として用いることにより、変換効率12.5%の太陽電池の作製に成功した。 3.膜厚均一性の改善および粒径の増大を目的とし、ZnO膜の成長を原子レベルで制御するためにALD法を適用した。この結果,初期的な段階ながらZnO膜の原子層成長に成功し、MOCVD法に比べ膜厚の均一性が向上することを確認した。さらに、ALD成長中に紫外光を照射する光ALD法を試みたところ、抵抗率を1桁程度減少させることができた。 以上の成果をふまえ、平成8年度はALD法および光ALD法を用いたZnO膜の成長についてより詳しく検討し、成長の初期段階から粒径が大きく結晶性に優れたZnO膜を成膜するための研究を行う。
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