研究課題/領域番号 |
06555095
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松波 弘之 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026035)
|
研究分担者 |
木本 恒暢 京都大学, 工学研究科, 助手 (80225078)
吉本 昌広 京都大学, 工学研究科, 講師 (20210776)
冬木 隆 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10165459)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1995
|
キーワード | シリコンカーバイド(SiC) / パワーデバイス / 熱酸化 / イオン注入 / Schottkyダイオード / pn接合ダイオード / MOSFET |
研究概要 |
本研究では、ワイドギャップ半導体SiCの高品質エピタキシャル成長層を用いたパワーデバイスの作製と特性評価を行った。以下に本年度に得られた主な結果をまとめる。 1.SiC MOS構造の作製と評価 (1)SiCの熱酸化速度の面方位依存性、酸化条件依存性を系統的に調べ、界面反応と酸化膜中の拡散が酸化速度を律速することを明らかにした。 (2)SiCの熱酸化膜の絶縁特性を調べ、抵抗率5x10^<16>Ωcm以上、絶縁破壊電界9.5MV/cm以上の優れた特性を得た。 (3)熱酸化膜/SiC界面特性をMOSダイオードの容量-電圧測定により評価したところ、n型SiCの場合は界面準位密度が5x10^<10>cm^<-2>eV^<-1>と小さい。しかし、p型SiCの場合は、界面準位密度が4x10^<11>cm^<-2>eV^<-1>であり、改善すべきことが判明した。 2.SiCパワーデバイスの試作 (1)p型SiC成長層へのNイオン注入によりpn接合ダイオードを作製した。600V以上の耐圧を得るとともに、逆方向リ-ク電流が500〜800℃の高温注入により著しく低減できることを見いだした。 (2)エピタキシャルpn接合ダイオードを作製し、1720Vという高耐圧を達成した。 (3)Bイオン注入によりSchottky電極端部に高抵抗層を形成し、電界集中を緩和させることにより1kV以上の高耐圧を再現性よく得る技術を確立した。この手法により、耐圧1750V、オン抵抗5mΩcm^2というSiでは実現不可能な高性能パワーダイオードを作製した。 (4)反転型nチャネルMOSFET(ゲート長10μm)を作製し、良好な飽和特性、電界効果を得た。相互コンダクタンスは1.0mS/mmであった。 今後は縦型MOSFETの作製と大面積化による大容量デバイスの実現を図る必要がある。
|