研究課題/領域番号 |
06555098
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 僖良 東北大学, 工学部, 教授 (00005365)
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研究分担者 |
吉田 哲男 (株)トーキン, 商品開発研究所, 部長
山田 顕 東北大学, 工学部, 助教授 (80134021)
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キーワード | 光偏向器 / ニオブ酸リチウム / 反転ドメイン / 圧電アクチュエータ / 強誘電体 / ねじり振動子 |
研究概要 |
高精度・高速光ビーム偏向器の実現が強く望まれている。我々は,LiNbO_3圧電結晶板を熱処理すると、+面側に板厚の半分の層状反転ドメインが形成される現象を見出した。本研究は、この反転ドメインを巧みに利用することにより、圧電結晶単体で回転変位の発生が可能な圧電アクチュエータおよびこれを用いた小形な超精密高速光ビーム偏向器を開発することを目的としている。本年度に得られた成果を以下に要約する。 1.光ビーム偏向素子のオーバーシュートを低減するための振動ダンピング法として、高分子膜を塗布する方法を検討し、その効果を確認した。また支持法として、片端固定および両端固定の二つの方法について理論的・実験的検討を行い、後者は得られる偏向角が小さいものの安定性に優れていることがわかった。2.高電圧印加による絶縁破壊を防止する方法として高分子膜を塗布する方法とRFスパッタによりSiO_2膜をコーティングする方法を検討し、その効果を確認した。3.イオンレーザを用いて偏向・記録の実験により光偏向性能の評価を行い、最大偏向角24°、偏向誤差0.05°以下の高精度広角光偏向が可能であることを示した。4.試作した光偏向器の共振駆動特性について実験を行い、9.2kHzの高い共振周波数で16Vp-p程度の低電圧で約20°という大きな角度の高速光偏向が可能であることを示した。5.本研究の光偏向素子とファブリペロ-・ソリッドエタロンを組み合わせた高密度波長多重光通信用波長可変光フィルタを提案し、狭帯域(0.15nm)・低損失(2.8dB)の小形波長可変フィルタが得られることを実証した。
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