研究課題/領域番号 |
06555111
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
大倉 元宏 成蹊大学, 工学部, 助教授 (30119341)
|
研究分担者 |
原島 博 東京大学, 工学部, 教授 (60011201)
千葉 浩彦 淑徳大学, 社会学部, 助教授 (40207296)
山田 寛 川村短期大学, 教養科目, 助教授 (80191328)
|
キーワード | FACS / 表情合成 / モデリング / 3次元グラフィックス / コンピュータビジョン / 表情認識 |
研究概要 |
本年度は、表情認識システム構築の第一歩として、表情パラメータの定量的な記述と実画像からの特徴点自動抽出法の確立に重点をおいて検討を進めた。従来から、表情パラメータによる表情変形の研究を進めてきたが、ここで用いていたのは2次元的な変形ルールに過ぎず、頭部の回転を行った場合には不自然な印象を与えていた。まず、表情表出時の顔面の3次元的な変形を実際の人物像から測定するため、2台のカメラを被験者の正面と側面に設置し、フレームの同期を取りながらVTRに記録した。この際、正面顔画像と側面顔画像の対応付けのために被験者の顔面上にブルーの小さな円形のマーカーを貼付し、画像中からこの点を追跡して3次元的な動き情報を得た。予め定めた不動点の位置で各点の動き量をノーマライズし頭部の動き自体による影響を取り除いて、アクションユニット毎に3次元の移動量を実測した。3人分の実測値に基づいて、統計的な処理を施し、表情パラメータの記述を定めた。現在、この評価を進めている。 次に、顔画像からの特徴点自動抽出法として、一定の限定条件での手法の開発を行った。この限定条件とは、背景を無地として1人の正面画像を仮定し、ある程度顔面の特徴部位が画像中において特定の位置を占めるような初期設定を、被験者自身に実施してもらう形式をとる。これにより、まず色情報に基づいて唇候補領域を検出し、頭部の形状の知識から眉、目、鼻、顎といった特徴部位の候補領域を推定して、最終的に各部位の形状特徴点を得るものである。現時点では、表情パラメータから各特徴点の移動量が決定できるが、この逆問題を解決して、実画像から抽出された特徴点から情報パラメータを推定し、環状状態を推定することが来年度以降も目標となっている。
|