医用、工業用内視鏡画像による三次元形状計測の研究

1994 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 06555117
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 出口 光一郎 東京大学, 工学部, 助教授 (30107544)
• 研究分担者: 永松 礼夫 東京大学, 工学部, 助手 (40172556) ; 森下 巌 東京大学, 工学部, 教授 (70010725)
• キーワード: 画像処理 / 画像計測 / 内視鏡 / 立体形状計測 / 医用画像処理

研究概要

本研究の目的は、医用、工業用内視鏡によって、例えば消化管壁の凹凸やパイプ内の異物を任意の位置で捉えた複数枚の内視鏡画像から、計算機処理によって対象の三次元立体形状を復元するシステムを構築する。内視鏡では、ヘッドの位置を正確に制御し任意の位置に置くことが出来ない上にヘッドの可動範囲も制限されているので、従来の立体視の手法をそのまま応用することは出来ない。そこで、申請者らの開発してきた能動視覚と呼んでいる手法の応用を試みるが、対象が狭隘な空間でヘッドの動きが極端に制限されている状況と、色々な状態の生体表面のような対象に対して、どの程度の誤差内で形状計測が可能であるかを明らかにし、それを克服する手法を確立して実用化に結びつけることが、本研究での課題である。
そのため、本年度は以下の点を重点に研究を行なった。
1.データ収集。(1)医用内視鏡画像データの収集(防衛医科大病院の協力による)。(2)シミュレーションによる評価用実験画像データの合成。(3)内視鏡光学系設計データの収集。(4)工業用内視鏡による照明とデータ取得条件の検討。
2.工業用内視鏡による実験システムの構成。
3.画像処理方式の検討。(1)カラー画像ディジタル化方式の検討。(2)高速画像処理装置による前処理方式の開発。
4.立体形状解析方式の開発とプログラム作成・システム化。
期間内にこの研究課題に沿って行なわれた以上の研究の成果を、論文等にまとめ公表した。

研究成果

• [文献書誌] K.Deguchi: "A Algebraic Framework for Fusing Geometric Constraints of Vision and Range Sensor Data." International Conference on Multisensor Fusion and Integration for Intelligent System.329-336 (1994)
• [文献書誌] K.Deguchi,T.Sasano,H.Arai,Y.Yoshikawa: "3-D Shape Recognition from Endoscope Image Sequences by The Factorization Method." MVA・‘94:IAPR Workshop on Machine Vision Applications. 455-459 (1994)
• [文献書誌] 五味信一郎,出口光一郎: "視覚センシングシステムの階層的設計" 計測自動制御学会論文集. 第30巻5号. 712-719 (1994)
• [文献書誌] 笹野剛,出口光一郎: "因子分解法による画像時系列からの形状復元法の検討" 情報処理学会コンピュータビジョン研究会. 87-2. 9-16 (1994)
• [文献書誌] 出口光一郎,笹野剛: "因子分解法による画像時系列からの形状復元法について" 第33回計測自動制御学会学術講演会予稿集. 45-46 (1994)
• [文献書誌] 野口崇,出口光一郎: "固有空間法による画像特徴の対応付けを必要としない視覚サーボ手法" 情報処理学会コンピュータビジョン研究会. 92-2. 9-16 (1995)