研究課題/領域番号 |
06555120
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
川人 祥二 豊橋技術科学大学, 工学部, 講師 (40204763)
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研究分担者 |
中西 博昭 島津製作所, けいはんな研究所, 主任
田所 嘉昭 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (90005463)
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キーワード | シリコン集積化技術 / フラックスゲート / 磁気センサ / マイクロセンサ / マイクロ磁気デバイス |
研究概要 |
本研究者らは、最近シリコン技術と磁性薄膜に基づき、極めて高感度・高分解能化が可能なマイクロフラックスゲート磁気センサを提案した。これは、シリコンプロセス技術によりソレノイド形状のコイルと軟磁性コアを形成したものを磁気検出素子とするものである。既にその試作に成功し、従来の小型磁気センサに比較して格段に高感度・低オフセットであることを明かにしている。その潜在的性能は極めて高く、特性改善の余地が十分あると考え、本研究では、その磁気検出素子の特性改善を試み、実用的価値の高い高感度磁気センサを実現することを目的とした。検討事項としては、コアを最適に励磁し、かつ検出電圧が最大となる励磁及び検出コイルの巻線・結合構造の最適化、感度を最大とする磁性コア形状の最適化を、計算機解析に基づき行い、その候補となる4種類の構造の異なる素子を設計した。また、本素子のセンサコアとしては、高周波特性が良好であり、実効透磁率が高く、保持力の小さい良好な軟磁性をもつコアを形成する必要がある。以前に試作した素子では、センサ素子の製作工程において、磁性コアの形成後、最高で380℃の熱処理工程が加わり、これによってコアの軟磁気特性の劣化がみられた。また、高周波特性においても十分ではなかった。そこで、高温熱処理によっても特性劣化の生じない、NiFeInの電着形成と、磁気異方性の制御を行い、基礎実験により良好な結果を得た。これらの結果に基づき、改良型の磁気検出素子を試作した。その結果、感度・分解能が飛躍的に改善された。先に試作した素子の最高感度は、約6V/Tであったが、その後、改良試作を重ね、現在2500V/T(3MHz励磁時)の感度と、4×10^<-8>の分解能をもつ極めて高性能な素子が実現されている。これは、常温で動作する小型の素子としては、過去に例にない極めて高性能な特性である。
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