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1995 年度 実績報告書

ハイパフォーマンスコンクリートの細孔組織構造と初期応力に対する養生効果評価法

研究課題

研究課題/領域番号 06555125
研究機関東京大学

研究代表者

前川 宏一  東京大学, 工学部(試), 助教授 (80157122)

研究分担者 岸 利治  東京大学, 工学部(試), 助手 (90251339)
小沢 一雅  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80194546)
キーワードハイパフォーマンスコンクリート / 耐久性 / 細孔組織構造 / 水分移動 / 水和
研究概要

本研究は,自己充填性を有するハイパフォーマンスコンクリートを用いた構造に導入される初期応力と,形成される細孔組織構造の両者を,任意の養生環境に対して評価する手法を開発する目的で行われた.そのために,コンクリート中の微細構造中に存在する水分の消失・移動ならびにセメント硬化体の水和生成に伴う構造変化,さらに熱エネルギーの生成・移動を一つの閉じた系として捉える熱力学理論を構築し,若材令時にハイパフォーマンスコンクリートが受ける乾燥・熱・外荷重作用を合理的に評価する技術の開発を行ったものである.
まず,使用セメントの化学成分とコンクリートの配合を入力情報として,任意の温度履歴下でのセメントの一般化発熱モデルを,ア-レニウスの反応理論を基礎に構築した.ハイパフォーマンスコンクリートの用いられるセメントとして,中庸熱セメントおよび高炉スラグ微粉末,フライアッシュ,石灰石粉等の混和材が採用されている.次に,水和のレベルとセメント硬化体の細孔組織構造の関係を,反応殻内の細孔径の線形分布を仮定することで定式化するとともに,形成された細孔構造内での水分分布の予測モデルを,細孔中の水の化学平衡条件を与えることにより構築した.そして,細孔径分布関数によって代表される細孔組織構造中の物質移動に係わる一般則を導出し,併せて,細孔組織内の水分分布モデルから,細孔中に形成される細孔水表面の寸法と表面張力を評価してセメントコンクリートの自由収縮ひずみを予測する方法を提案した.これらの要素技術は統括・統合され,各因子相互の連成を考慮した若材令ハイパフォーマンスコンクリートの挙動解析プログラム『DuCOM3』として結実した.提案プログラムは,材齢初期に乾燥を受けるコンクリート中における水分分布,細孔径分布,温度,水分量等の測定結果を再現することにより,十分な精度を有することが確認された.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] R. Chaube, T. Kishi and K. Maekawa: "Simulation of moisture transport, Structure formation and hydration in cementitious materials." Proceedings of EASEC-5. (1995)

  • [文献書誌] K. Maekawa, R. Chaube and T. Kishi: "Coupled mass transport. hydration and structure formation theory for durability design of concrete structures" Proceedings of Consec-95. (1995)

  • [文献書誌] 下村匠 福留和人 前川宏一: "微視的機構モデルによるコンクリートの乾燥収縮挙動の解析" 土木学会論文集. No514/V-27. 41-53 (1995)

  • [文献書誌] 下村匠 前川宏一: "微視的機構に基づくコンクリートの乾燥収縮モデル" 土木学会論文集. No. 520/V-28. 35-45 (1995)

  • [文献書誌] 岸利治.前川宏一: "ポルトランドセメントの複合水和発熱モデル" 土木学会論文集. No. 526/V-29. 97-109 (1995)

  • [文献書誌] R. Chaube, and K. Maekawa: "Coupled analysis of pore structure formation, hydration and moisture transport in concrete" Proceedings of Cairo Frst Int. on Concrete Structures.(1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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