1.大型コンクリート供試体による実験について 大型供試体の第一段階として、断面250×200mm、長さ1600mm、D16異形鉄筋1本を持つ、鉄筋コンクリート供試体を作成し、3点曲げ載荷により最大幅0.2mmのひび割れを発生させ、そのひび割れ中に造影剤を注入し、X線撮影を行った。使用したX線発生装置は、本研究費で購入した管電圧300Kvのポ-タブル型を使用した。ひび割れ検出方法は、直接X線フイルムで検出する方法、イメージングプレートで検出する方法及びイメージアンプリファイヤで撮像し画像処理を行い検出する方法を用いた。その結果、X線フィルムを用いた場合には、管電圧200KVで3分間の照射で内部のひび割れを検出できることが分かった。イメージングプレートを用いた場合には、管電圧300KVで3分間の照射でひび割れの検出ができた。イメージアンプリファイヤを用いた場合には画像処理を行うことにより、かなりの精度でひび割れを検出することができることが分かった。 2.造影補修材の開発について エポキシ系接着剤にX線造影剤を高速攪拌で混入する方法で、その混入割合と造影効果、接着効果などについて実験を行った結果、接着性能を劣化させることなしに造影効果をもつ造影補修剤の開発の見通しができた。 3.造影剤の注入方法について 造影剤を単独で注入するの場合には、ゴム風船を利用する既存のエポキシ系接着剤注入方法を使用することができるが、ひび割れ先端の微細ひび割れまで造影剤が到達するのにかなりの時間がかかることが分かった。
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