研究概要 |
緊張係留された水中浮遊式トンネルの実用化を目指した基礎技術の確立とその設計法の開発を目的に,動力学的挙動の検討を理論的・実験的に行い,以下のような結果を得た。 [理論的検討による波浪動揺特性について]: (1)鉛直係留の場合は,水平方向変位量は大きくなり,その値はトンネルの設置水深に大きく依存する。また,水平方向力によるスラックは発生しない。 (2)鉛直係留索と斜め係留索を組合せた場合および斜め係留索のみの場合には,水平方向変位は,鉛直係留に比べて格段に小さくなるが,スラックは発生する。しかし,スラックは,斜め係留索の傾角の変化によって防止することが可能である。 (3)斜め係留索を用いる係留タイプは,水平方向の固定度が高く,トンネルに作用する波力はモリソン式で算定できる。 [実験的検討による波浪動揺特性について]:規則波による実験(Froude相似則1:62.16)より (1)変位量・スラックの発生限界は論理的検討とほぼ一致し,またスナップ荷重の発生を確認できた。 (2)トンネルに作用する流体力は,慣性による力が卓越し,境界要素法による計算値と良い一致をみた。慣性力係数C_Mは,1.5〜2.0の範囲でありばらきつが小さい。 [非線形応答解析法について]:解析法としてスラックとト-ト状態に応じた運動方程式の解を接続し応答を逐次追跡する手法を検討し,スナップ荷重を含む非線形挙動を数値的に再現できた。
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