研究分担者 |
若原 敏裕 清水建設(株), 技術研究所, 主任研究員
木村 吉郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (50242003)
山口 宏樹 埼玉大学, 工学部, 助教授 (50134474)
藤谷 徳之助 気象庁福岡管区, 気象台技術部, 部長(研究職)
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研究概要 |
1.塔状構造物の高風速励振の非定常応答特性 円形断面を有する塔状構造物を対象に,ロッキング模型ならびに弾性模型を用いて,高風速励振が存在することを実験的に証明し,そのメカニズムを熱線風速計で測定した後流風速変動との関連において明らかにした.いずれの模型においても高風速励振が塔頂部で形成される渦によるものであり,その渦の発生がやや間欠的であるため応答が非定常的なものであることがウェーブレット解析によりわかった. 2.TLDの数値モデルの開発と非定常入力応答の予測 円筒容器TLD(同調液体ダンパー)の数値モデルとしてBoussinesq非線形波動方程式に基づくモデルを開発した.このモデルは水深方向に関しては流速分布を仮定して積分しているため,未知数が一つ減っており,数値解析状の付加が少ないのが,特徴である.計算値と実験値を比較し,本モデルが波の非線形性とくに高周波も十分精度よく再現することを示した.このモデルにより,円筒TLD-構造物系の連成非定常応答を精度よくかつ効率的に算出することが可能となった. 3.ウェーブレットによる強風の非定常性の分析 直交性を有するウエーブレット変換を新たに開発し,実際の風および風洞内の乱流に適用し,その非定常構造を明らかにした. 4.非定常応答を対象としたTMDの効率化 TMDは,急激な外力の変化による非定常応答に追従できないため,制振効率が低下する.本研究では,TMDに初期変位によるパルス応答を与えることで非定常応答の逓減を達成している.具体的には初期変位の与え方のアルゴリズムを示すことができた.
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