平成6年度には基本的な構造と回路の設計を行った。また試作段階の各ユニットに現地テストを行った。その結果、2パイル方式で一次処理したデータをそのままメモリーに格納する方式で進むことにした。ところが、平成7年1月の神戸震災で、共同研究者の所属するアレック電子(株)の社屋と工場が倒壊し、試作装置が破壊された。 そこで平成7年度は、工場の再建されるのを待って、再度、試作装置の製作と現地テストを行っている。その際、測定精度を向上させるために、発信周波数を、昨年の800kHzから1500kHzに変更した。 今年度は、主にメモリー方式についての検討を進め、耐水圧型大容量メモリーパックを試作した。また、センサーが常に鉛直方向を向くように、新型の架台を製作した。 研究スレジュールが遅れたために、当初予定した青森県小川原湖での現地テストはできなくなった。そこで、全体装置のテストを、茨城県霞ヶ浦の高浜入り水域で実施した。この水域では、日々の日射によって弱い成層が形成され、そこに風が吹くと2層流状態の吹送流が生じる。したがって、流速分布は水温構造に対応しているので、流速測定と同時に行った水温計測結果と照合して、その測定精度を調べた。その結果、流速10cm以下の微弱な非定常成層流のプロフィルを十分な精度で観測できることがわかった。
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