研究課題/領域番号 |
06555150
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工水理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小松 利光 九州大学, 工学部, 教授 (50091343)
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研究分担者 |
櫨田 操 日本文理大学, 工学部, 教授 (70131969)
松永 信博 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (50157335)
中村 由行 九州大学, 工学部, 助教授 (90172460)
大串 浩一郎 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (00185232)
朝位 孝二 九州大学, 工学部, 助手 (70202570)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 拡散シミュレーション / 高精度計算スキーム / 格子間隔選定法 / 拡散能 / 分散能 / 2nd order wave equation |
研究概要 |
本研究では、数値拡散係数の概念を用いて高精度拡散数値シミュレーションのための最適計算手法の決定法を提案した。得られた主要な結論は以下のとおりである。1。スプリット・オペレーター・アプローチは単なる計算上の近似操作ではなく、明確な物理的意味をもつことを特性曲線法の概念を用いて説明することができた。2。無限に続く数値拡散項を偶数次の項と奇数次の項に分け、それぞれを二次と三次の項にまとめることによって各移流項計算スキームの精度特性を検討することができた。3。拡散数値シミュレーションの精度は数値拡散係数に対する相対的な値の大小に依存することを数式的に示した。4。許容相対誤差及び拡散長さスケールと計算格子間隔が与えられれば、使用可能な移流項計算スキームを選択できる手法がTaylor級数誤差解析にもとづいて開発された。拡散長さスケールの決め方にやや手数を要する場合もあるが、これまで経験的に決められていた計算スキームの選択に簡便な指標を設けることができた。5。拡散の長さスケール.計算スキームが与えられれば許容誤差内におさまる計算解を得るために最も効率的な計算格子間隔を決定する手法が確立された。6。二次元、三次元の拡散シミュレーションに対しても、物理拡散係数とク-ラン数に各方向の平均値を用いることで一次元の手法がそのまま適用できるため、応用面での有用性も高いものと思われる。本研究における最適計算手法の決定法の間発にはガラス型濃度分布を基本分布型として用いているため当然万能ではないが、自然界の拡散現象は限られた領域、限られた時間内ではガウス型濃度分布をとることが多く、全体的にはこれらの濃度分布の重ね合わせと考えられるので、自然界の複雑な拡散現象に対しても本手法はかなりの程度まで適用可能であると思われる。
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