研究概要 |
1.目的:河川および海岸・港湾域における底質(土砂)の流掃は,河道や海岸・港湾の設計・維持のために重要な問題であり,従来から様々な理論的・実験的研究が行われてきた.一方,ここ30年ほど前の乱流の大規模構造・秩序構造の発見以来,この方向の研究が活発に行われ,運動量や物質輸送拡散に果たす乱れの秩序構造の役割が明らかになってきた. このような観点から,土砂輸送の問題を考えるとき,従来の実験では土砂濃度の計測は一点ないし数点での計測であり,3次元的瞬間土砂濃度分布が得られないという欠点がある. 2.方法:本研究は,一辺上に並ぶ数個のレーザー光源からのレーザー光を対辺に配置した数ケ点の受光点で受け,レーザー光線の減衰からこの両辺に囲まれた空間内の土砂濃度分布を,逆問題として求めようとするものである.その原理は人体のX線CTと同じであるが,本研究では安価で室内および現地で使用可能な計測機の開発を目指す. 3.試作機と予備実験:上記の原理に従って,回路設計・試作機の製作を行い,並行して逆問題解析ソフトを開発し,室内で予備実験を行った.平成7年度は特に逆問題を解く数値解析法の精度の向上を行った.
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