わが国における自然閉鎖水域の深刻な汚染問題を解決するために、マイクロバブル発生技術を応用した汚水浄化法を開発し、その室内外実証試験を行った。 本年度は、昨年度の研究成果を踏まえ、密閉式エアレータの性能試験、旋回式エアレータの改良および前者を用いた室内汚水浄化実験(福岡県太宰府市D天満宮アヤメ池水)、福岡県太宰府市Dメモリアルパーク池での現地実験を行った。 密閉式エアレータは、気液2相流体を密閉式ドーム内に送入し、ドーム内の強制旋回によって気液を分離さらにはドーム中心に集められた気泡を強制せん断することによってマイクロバブルを発生させることを特徴としている。本研究では、マイクロバブル発生のメカニズムと発生気泡分布特性を明らかにした。また、本エアレータを用いて、上記D天満宮アヤメ池の汚水浄化実験を行い、100時間経過後に濁度が実験前と比較して1/50に低下することを明らかにした。また、Dメモリアルパーク池においては、15台の同エアレータを設置し、その汚水浄化効果を観察した。その結果、濁度COD他において顕著な低減を得、同時に池内での藻類の大量な剥離現象の発生を確認した。そして、実験1000時間後には池水底面の透視と清浄な池水の回復を得た。 以上をまとめ、研究成果とした。
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