レーザ光と視線誘導灯の霧中における視認性の比較実験を、建設省土木研究所の標識屋内実験施設で行った。この実験施設は、奥行き30(m)、幅15(m)、高さ15(m)で、霧や雨を発生できる。実験室内に、出力の異なる2種類のレーザ光発振器と4種類の視線誘導灯を設置した。視線誘導灯の明るさは、輝度計とトータルステーションを用いて測定した。トータルステーションは、輝度計の測定方向を出力するために用いた。一方、被験者8名による視認性の主観的な評価も測定と同時に実施した。 レーザ光のエネルギーは高く、霧が濃くなっても遠くまで届く。このとき、レーザ光路の方向と視線の方向のなす角は、小さいほうが視認性は高かった。透過率が低いとき、レーザ光は視線誘導灯と同レベルの視認性を示した。また、透過率30%のときに輝度値が最も高くなった。主観的な評価からも、霧や雨においてレーザ光の視認性評価値は高かった。レーザ光が線として視認できるのが、主な理由であった。 次年度においては、道路に設置して、運転者にどのような視覚的影響を与えるかについて検討する。
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