研究課題/領域番号 |
06555162
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大垣 眞一郎 東京大学, 工学部, 教授 (20005549)
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研究分担者 |
神子 直之 東京大学, 工学部, 助手 (70251345)
山本 和夫 東京大学, 工学部, 助教授 (60143393)
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キーワード | 光化学 / 水処理 / 二酸化チタン / チオベンカルブ / フミン質 / 芳香族化合物 |
研究概要 |
薬品無添加あるいは大幅な削減が期待できる、光化学反応を用いた水処理技術の開発研究を行った。 本年度は、フミン酸の光分解とそれに伴う色度の減少、また、農薬や芳香族化合物の二酸化チタン触媒共存下における光増感作用について検討した。光源としては、500Wキセノンランプを用い、平行光で石英製容器中の試料に可視光を照射する実験を行った。 純水中にフミン酸を溶解して光照射を行い、吸光度の変化で分解を評価した。その結果、フミン酸は非常にゆっくりではあるが、光照射を受けて部分的に分解しながら無機化されていることが示唆された。 また、除草剤であるチオベンカルブの、共存物質による光増感作用についても検討を行った。その結果、単体で光に対して難分解性であるチオベンカルブが、アセトンやフミン質の共存により、分解が促進された。 さらに、8種の芳香族化合物の混合液を、フミン質を含む系と含まない系で二酸化チタン存在下で光照射し、光増感作用を調べた。反応速度は、単独で光照射を受けた時よりも抑制されており、吸光阻害および複数基質、副生成物による活性種の捕獲によると推察された。 今後は、実験結果をさらに加え、技術開発のための総合的な知見を得て、実用化のための設計理念の提案を目指す。
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