研究課題/領域番号 |
06555163
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
堀内 将人 京都大学, 工学研究科, 助手 (00157059)
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研究分担者 |
米田 稔 京都大学, 工学研究科, 助手 (40182852)
森澤 眞輔 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026340)
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キーワード | 重金属 / 市街地土壌汚染 / 収脱着 / 通気層 / 動態 / 工学的対策 / 環境調査 / 数学モデル |
研究概要 |
1.通気層における重金属の収脱着反応特性の実験的把握 不飽和土壌中での収脱着反応を把握するためには、一般にカラム実験が行われる。本研究では、カラム下端に生じるend effectをできるだけなくし、カラム内の含水率を一様かつ低く制御する方法として空気吸引法を採用し、不飽和土壌カラム実験を実施した。その結果、試料土壌として実験に供した細砂・シルトともに、含水率の変化に対して推定した不飽和分配係数(Kd)は、ある含水率を極小値とする下に凸の曲線なることを示した。また、細砂・シルトともに、得られたθ-Kd関係から計算した遅延係数(Rf)は、高含水率領域で含水率の大きさによらずほぼ一定値を示した。このことから、不飽和土壌での水の移動速度が推定できれば、飽和土壌における分配係数の値から遅延係数を算出することにより、不飽和土壌における非収着性物質の移動速度を推定することは可能であることを指摘した。 2.実通気層における物質移動を記述する数学モデルの構成と数値シミュレーション 日常的に繰り返される蒸発-降雨サイクル下において、土壌水分の量的な違い、および移動方向の違い、ひいては関与する間隙の違いとしても評価される質的な非定常性が、表層付近の物質移動にどのように影響するのかを、蒸発-降雨サイクルを与えるカラム実験を実施することにより検討した。室内実験では不撹乱土壌カラムを用意し、1回の降雨量や降雨強度を変化させて、表層に与えた塩分(塩素)の蒸発-降雨条件下での移動特性を把握した。さらに、室内実験で得た知見を基に、蒸発と降雨の繰り返しによる土壌水分の非定常性に水分移動の非一様性をも加えた水分・物質移動モデルを、野外条件下でも適用できるような実用モデルとして構築することを試みた。その結果、本研究で対象とした不撹乱土壌では、降雨強度が弱い場合には、物質移動に関して離散型1成分モデルで十分であり、降雨強度が強くなると離散型3成分モデルを導入する必要があるとの結論を得た。
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