研究課題/領域番号 |
06555172
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築環境・設備
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
岩瀬 昭雄 新潟大学, 工学部, 教授 (30114391)
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研究分担者 |
山口 道征 (株)ブリジストン, 化工品技術開発本部, 主任本部員
金沢 純一 (財)小林理学研究所, 物理研究室, 室長 (80124262)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 音響管 / 伝搬定数 / 吸音率 / 多孔質材料 / ディジタル信号処理 / 伝達関数 / 音響インピーダンス |
研究概要 |
多孔質建築材料は、吸音材料としてつとに有名で、快適な居住環境を形成するに欠かせない建築材料である。音響材料としての性能は吸音率や伝搬定数、さらにバネ定数があり、吸音率は音響管法や残響室法の吸音率測定法で求められ、動的バネ定数も共振法で容易く求めることができる。それに対し、伝搬定数に関しては最近こそ測定システムが販売されるに致っているが、伝搬定数を求めるのはかなり困難な測定法として認識されている。 そこで、研究代表者は多孔質材料の伝搬定数の計測に関し、音響管を用いた誰もが容易に計測できる極めて簡単な方法を考案している。すなわち、従前の手法では、音響管奥部に試料を設置し、その背後空気層の条件を変えた音響計測が必要であるが、試料の状態を変えずに背後空気層の条件のみ変える困難さがあった。新しい計測方法は困難さの原因である背後空気層を全く不要とする計測法として確立しものである。本研究は、この計測方法を基本としてその実用化を目指した開発研究であり、手始めに、音響管を幾つかに分解可能とし、特に試料設置を容易とし、また同時に、音響計測時には十分気密性を保って再接続が可能とする様な計測機構を開発し、より実用性を高める工夫をした。具体的な計測は音響管端部に設置した試料前後の音圧間の伝達関数をディジタル信号処理により求め、音響伝搬モデルに従い伝搬定数を求めるが、その計測システムは音響インピーダンス計測にも容易に流用可能とした。実際の応用計測として通常の多孔質材料に加え砂や柔らかな紙など本手法以外に計測不可能な材料の伝搬定数を計測した。その結果、周波数の増加に従って単位長さあたりのdB減衰値が増加することや伝搬速度が空気中の音速より低く周波数が低いほどその傾向が強いことを確認した。また、試料の共振現象に起因する誤差を除く為、試料を力学的に拘束して共振を軽減する方法を確立し、より実用化が図られた。
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