研究課題/領域番号 |
06555185
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
元島 栖二 岐阜大学, 工学部, 教授 (80021608)
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研究分担者 |
徳永 敦之 セントラル硝子(株), 宇部研究所, 主任研究員
岩永 浩 長崎大学, 教養部, 教授 (40039772)
長谷川 功 岐阜大学, 工学部, 助手 (20237960)
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キーワード | 炭素繊維 / 気相成長炭素繊維(VGCF) / コイル状ファイバー / CVD / アセチレン |
研究概要 |
1.バッチ式基礎実験装置(内径23mm,横型)を用いて、アセチレンの金属触媒活性化熱分解法によりコイル状のカーボンファイバーを合成し、コイルの合成条件を詳細に検討すると共に、その成長メカニズムの検討を行った。 (1)触媒としては、これまで全くコイル成長が観察されなかった、FeおよびNiS粉末でも、合成条件を厳密に制御することにより10-20%のコイル収率が得られた。 (2)種々の遷移金属炭化物の中で、TiCのみがコイル成長をもたらした。またTi酸化物の中で、Ti_2O_3および空気中で酸化したTi板がコイル成長をもたらした(収率:13-27%). (3)Ni単結晶を用いて、各結晶面での全炭素およびコイル析出量を検討した。各結晶面での触媒活性の順位は、Ni(100)>(111)>(110)であり、Ni(100)のコイル収率は、(110)の3倍の高い値を示した。すなわち、この触媒結晶面での炭素析出の異方性がコイル化の駆動力と考えられる。 2.直径60mmの透明石英製横型反応管を用い、触媒を塗布したブラファイト基板あるいは金属板(触媒兼基板)を間欠的または連続的に移動しながらコイル合成を行い、コイル成長の特徴、問題点、装置設計などについて検討を行った。その結果次の事が明らかにされた。 (1)コイルは、原料ガス導入口のごく近く(〜20mm)でのみ成長し、それ以上になるとコイルは全く成長しない。 (2)コイル収量は、反応時間と共にほぼ直線的に増加し、1-2mmの長さのコイルが得られる。 (3)反応時間が10分以上になると硬い炭素層の析出速度が急激に増加する、 (4)触媒としてはNiが最も適している。 (5)得られたコイルをエメリ-紙で削ることにより、長さが数十ミクロンのコイルが得られた。 その長さ分布は、用いたエメリ-紙の粒度に依存する。 3.上記で得られた結果をもとに、現在サンプル合成のための、大型の合成装置(生産能力:数百グラム/月)の設計、製作を行っている。
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