研究課題/領域番号 |
06555192
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
稲垣 訓宏 静岡大学, 工学部, 教授 (30022015)
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研究分担者 |
長谷川 哲 藤森工業(株)包装研究所, 研究員
田坂 茂 静岡大学, 工学部, 助教授 (10134793)
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キーワード | SiOx / ガスバリヤ- / プラズマ重合 / ポリエステルフィルム / シラン化合物 / XPSスペクトル |
研究概要 |
本研究は、ガスバリヤ-素材としてSiOxの薄膜をポリマーフィルム上に堆積した複合化した包装材料を開発することを目的とし、平成6年度より3年計画の事業である。本年度は事業の初年度にあたり、連続SiOxコート用プラズマ重合器の試作、プラズマ重合条件の検討、SiOx薄膜組成とガス透過量について検討した。連続SiOxコート用プラズマ重合器が完成し、幅約20cm、長さ約1mの連続したプラズマポリマーコートしたポリエステルフィルムを得ることが可能となった。有機シラン化合物のプラズマ重合からのSiOx薄膜の合成は、有機シラン化合物の化学構造と深い関係があることが判明した。すなわち、アルキルシランよりもアルコキシシラン化合物が出発物質として適している。さらに、プラズマ重合と同時に酸素ラジカルを照射することによって、アルコキシ基のポリマー化を抑制することができ、良質のSiOx薄膜が合成できることを見い出した。このSiOx薄膜の合成をリモートプラズマ重合と呼び、従来のプラズマ重合と異なる重合法を提案した。これらの成果は、昨秋の高分子討論会にて発表し、その後の成果を今春の高分子学会の年会で発表を予定している。 さらにSiOx薄膜組成はリモートプラズマ重合の出発物質であるシラン化合物の化学構造と密接につながりがることがXPSスペクトルの測定から判明し、シラン化合物選択の重要な指針が得られた。この化学構造の差異は、ガスの透過に重要な因子である収着量とも関係しているなど、SiOx薄膜合成の基本となる指針を得た。
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